日銀・黒田総裁会見4月27日(全文2)企業の資金繰りはリーマン時より厳しい
1カ月前からフェーズが変わっているのか
産経新聞:産経新聞の【オオイズミ 00:26:11】です。国債の積極的な介入について、2点お聞きしたいんですけれども、1点目が国債の積極的な介入なんですけれども、政府の緊急経済対策により国債発行が増加することの影響も踏まえということで、財政ファイナンスという指摘が出てくる恐れもあると思うんですが、総裁、この点についてのご認識をお願いいたします。これが1点目です。 2点目は、【ニタ***デ 00:26:39】金融緩和を強化しているということなんですけれども、今回ETFの買い入れについては維持されました。前回、ステートメントではドルオペについての言及なんかもあったと思うんですが、1カ月前とこの間で何かフェーズが変わってきてるということがあるんでしょうか。以上2点、お願いします。 黒田:国債買い入れにつきましては、当然のことながら金融政策上の目的で行っているものでありまして、政府による財政資金の調達支援が目的の、いわゆる財政ファイナンスではありません。先ほど来申し上げたとおり、今回、国債のさらなる積極的な買い入れを行うこととしたのも、1つには債権市場の流動性が低下してる下で債権市場の安定を維持するとともに、現在の金融市場調節方針に定める長短金利操作を実現する観点から、イールドカーブ全体を低位で安定させることを目的としたものでありまして、あくまでも金融政策運営上の必要に基づいて実施している措置であります。もちろん日本銀行としては、こうしたイールドカーブ・コントロールに基づく金融緩和措置が、緊急経済対策をはじめとする政府の積極的な財政措置と相まって、いわゆるポリシミクスの効果を高めていくものというふうに期待もしております。
まだまだ警戒すべき点が非常に多い
それから今回、2回連続で、特に今回の金融緩和の強化の範囲というか、措置の規模というか、非常に大きなものになってるわけですが、これについては、この公表文にもありますように、1つには景気について厳しさを増しているという判断、もう1つは金融環境も一時懸念されたようなものよりも少し内外の金融資本市場は落ち着きを取り戻してはいますけれども、まだまだ警戒すべき点が非常に多いわけであります。 そうした中で、特にCPの発行が増加してますけれども、CPの金利も上昇してると。それから社債についても、金利の上昇の程度は小幅ですけれども、それでもやっぱり上昇していますし、社債については、金利の上昇、期間が長いですからね、金利の上昇を見て、少し手控えてる企業もある。だから実際上はCPも社債も両方とも、かなり逼迫してきてるという状況にあるということで、これはしっかり対応する必要があるということで、合わせて約20兆円の残高、巨大な額を上限に買い入れを実施することにしたわけであります。 また、新型コロナ対応支援オペも、これは、従来は企業向けの融資だけの担保だったんですけれども、もう対民間融資を幅広く担保にして、従来ですと対象担保が8兆円ぐらいだったのが、今度は23兆円ぐらいに、3倍ぐらいにして、より広く使われるように、そしてその際にプラス0.1%の付利をして、よりインセンティブを付けて、幅広く対民間の金融支援を拡張するということであります。 それからもう1つ、先ほど申し上げたように政府の中小企業の資金繰り支援の緊急経済対策等を踏まえまして、さらに中小企業向けの新たな資金支援の資金繰りも早急に詰めて開始したいというふうに考えております。