「満足できなくなっている」のが一番の成果かもしれない──留学して半年、Travis Japanの今
「満足できなくなっている」のが一番の成果かもしれない
トラジャはWOD以外にも、5月のラスベガスでの「プレリュード」ダンス大会、6月のLA初の日本音楽フェスティバル「Rising Japan」、7月のアニメExpo、WODファイナル、8月にはLAの二世週祭など、レッスンの合間に様々なイベントに出演している。多くが渡米後に決まったものだし、立つステージでのコンセプト、振り付け、楽曲選びなども自分たちで担う。それはメンバー全員がすでに10年以上、エンタメの世界でトレーニングや経験を積み、ある程度完成された形でLAへ来たからこそできる挑戦でもある。 全米で人気のオーディション番組「America's Got Talent(AGT)」の出演も果たした。7月中旬に放送されて日本でも知られることとなったが、収録自体は渡米直後の4月だった。 WOD予選でのトラジャのパフォーマンスに感動した番組プロデューサーが、AGTの予選ラウンドに出演依頼したのがきっかけだ。トラジャは、自分達の楽曲「夢のハリウッド」の英語版を披露し、収録会場にいた観衆3000人のスタンディングオベーションと、審査員3人全員の「イエス」をもらい、セミファイナルへ進出。9月には生放送での選考が控えている。
「デビューを目指しているので、一番の目標はアーティストとして成功することなんですよ。AGTっていうのは、自分達が目指している未来にとってなんかきっかけになるのかなって。それはファンの皆からの反応とか感想だったり、コメントからもすごく感じ取ることができました」(シメ) 「僕たちも日本にいる時から知っていた番組だし、出させてもらえるっていうのは夢にも思っていなかったんでびっくりしましたし、審査員の方とか、オーディエンスの方とかに評価してもらえたっていうのがすごく嬉しかったし、自信にもなりました」(マチュ) ものすごい量のエネルギーと笑顔で、審査員や観客を引き込んでいく様子は見事で、これからのトラジャの活躍を期待せずにはいられないものだった。 それから半年近く経った今、WODも終え、トラジャはどこまで来たのだろうか。 「ここまでの成果……」 チャカはどの質問より考えてから、こう答えた。 「今、何か成し遂げたってことがパッと出てきてないじゃないですか。ってことは、まだまだ上を目指しているし、満足できなくなっているんですね。自分たちが知らない世界をみたことで、これをやりたい、あれをやりたいって部分が膨らんでいます。それが一番の成果かもしれないですね」 亡きジャニー喜多川も描き続けた「世界進出」の夢。Travis Japanはその夢にも向けて、着実に歩みを進めている。7人の若武者たちの挑戦は続く。