「満足できなくなっている」のが一番の成果かもしれない──留学して半年、Travis Japanの今
「チャレンジしてみないと分かんないですし、チャレンジする前から怖がっていてもね。言語の不安も、そこで不安がっていてもしゃーないなって思いで来ましたね」 清々しいまでにそう言い切ったのは、ウミ(中村海人、25)。トラジャは、息の合ったシンクロダンスと裏腹に、7人の個性が実に豊かなのも魅力だが、今回のインタビューで1番アクセントになっていたのが彼。 「大体くじけていますよ。人間だもん、くじけない人なんていないと思うし、ああ、もういいやって。こんなん投げ出したいなって。けど、結局そこで投げ出しても俺の中ですげえ後悔が残る」
7人で答えを出して動いているっていう感覚
普段の7人は、平日の午前中いっぱい語学学校へ行き、それぞれ昼食を取りながら宿題や復習をしたあとは、遅くまでダンスや歌のレッスン。週末はブログを書いたり、YouTubeの撮影をしたりと、仕事で詰まっていた日本時代とはまた違った忙しさがあるが「仕事がない分、自分を見つめ直す時間が多い」とウミ。 「最近やっとこっちの小学生が作るような文章で喋れるようになってきてはいるんですけど、先日英語でインタビューを受けたとき、いきなり『どう思う?』と言われて、分かっていた言葉でもめっちゃ飛ぶんだなって。まだ英語に自信がないから。緊張もあったし悔しかった。これまで3ヶ月、ちゃんと学校も行ってそれなりに勉強していたはずなのに」 できないなら、もう努力するしかない。 「心がもやもやするのが嫌なんですよ。ずっとそれでいるのも嫌なんで、どう解決すればいいのかなって向き合います。自分でちゃんと見つめ直さないと成長しないんで」
共同生活も、留学におけるチャレンジの1つ。当初は、生活リズムの違いに戸惑ったり、喧嘩をしたり、一人の時間が持てずに悩んだりしたが、次第に7人の良いバランスが取れるようになった。ゴミ出しや掃除も一緒にする。 「めちゃくちゃ絆が深まりましたね。今まで知らなかったメンバーの部分も見えたりとか、この時間帯は1人でいたいんだな、とか。皆マイペースですけど、シメが一人で行動するのが好きなんだなっていうのは、こっちに来て知りましたね」(マチュ) 「ちょうどこの前一瞬ギクシャクした時に皆で家族会議しようぜってなって。仲悪くはならないですね。ぶつかってもちゃんとそれを解決できるような人たち」(ノエル) 「次の動きに対しても7人で答えを出して動いているっていう感覚」と、チャカも言う。 「自分らの中では何かが変わったっていうのはないんですけど、例えば続けているダンスレッスンやボイストレーニングで、一人一人の個性や長所がより見えるようになりましたね。こういう踊り方の表現もできるんだ、こんな低い声が出るんだとか。それぞれの引き出しが増えている、自分達のスキルが増えていっているなっていうのを感じるので、それは何か成長しているなっていう自信はもてますね」 トラジャのボイスコーチ、ケイティ•リッグスはこう話す。 「全員がここまで同じくらいナチュラルな才能があって真剣で、思いやりがあって、互いが光る瞬間を分け合っているグループって、とても珍しいの。彼らを教えることがとても楽しい。このまま辛抱強く続けていき、歌ったり踊ったりする機会でしっかり見せていけば、トップアーティストになれる」