「満足できなくなっている」のが一番の成果かもしれない──留学して半年、Travis Japanの今
2年前といえば、世の中はコロナ禍に突入した時期。先が見えない中でも、各々でスキルを磨く日々。そして今年3月、ついに留学を発表したが、その裏には、たくさんの思いがあったことをシメ(七五三掛龍也、27)は明かす。 「発表にどういう反応がくるんだろうとか、日本のファンの方が自分達のファンでいてくれるのかなっていう不安はありました。それは今でもあります。日本の状況も変わっていくと思うし、戻った時に居場所があるのかっていうのも不安ですし。俺らも今探し求めている最中で、どうなるかわからないしっていう状況なので」
チャレンジする前から怖がっていてもね
「セルフプロデュースしないとダメな時代なんじゃないかと思います」とは、最年長のノエル(川島如恵留、28)の言葉だ。 「僕たちももう大人じゃないですか。やっぱり与えられたものだけでやるより、知らないことにチャレンジしていくこと。自分達をどう見せたいか、どういうことを伝えたいかっていうのが僕たちの軸になっている」 今でこそメンバー全員が英語で受け答えする場面も増えたが、渡米早々のタイミングで通訳なしのインタビューに応じられたのはノエルの存在が大きい。留学決定前から「コミュニケーションの幅を広げたい」と自主的に英語を学んでいたからだ。
そのノエルが、米国に来て一番に感じる変化は、「気持ち」だという。 「こっち(米国)はよくも悪くも、『this is me(これが自分)』の気持ちが強く、自然とそのアイディアも自分のものになってきたと思う」 「求められたこと以上のものを届けるにはやっぱりオリジナリティが必要。自分はこれがしたいってなったら、その気持ちを封印するんじゃなくて、何か新しいアイディアにして出せるようにするっていう、発想の転換部分をこっちで学びました」 それは、日頃担当する音源作りにも影響を与えている。 「例えば、WOD(ファイナル)に出るにあたって、こっちで学んできたことを最大限に活かしたいし、自分達のオリジナル曲をリミックスして、和のテイストに変えてっていうのはどうかなって。でも事務所に提示したら予算出ないよって。ただアレンジとなると、自分の技術じゃ追いつかないところがあるから、誰かに手伝ってもらわなきゃならない。『世界の舞台で僕たちをアピールできるダンスで、絶対に後悔したくないんです。だからお願いします』ってめちゃくちゃ頼み込んだら、予算出たんですよ。食い下がれたのは、やりたいって気持ちと、絶対に良いものができるって自信があったから。自分の中で引くべき場所と、貫き通す場所を考えられるようになったのかなって思います」