大きく行動しなければ自分を変えられないと思っていた――鞘師里保がニューヨークで過ごした日々 #今つらいあなたへ
今でもカフェで働いてみようかなと思う
2015年にモーニング娘。を卒業して、海外に留学したのは17歳。その経歴からは、「私は私の道を行く」というタフなキャラクターを想像する。 「プロフィールだけを見れば、そうかもしれないんですけど、それは自分の弱さの裏返しかなと思っています。自分をちゃんと安定させられるほど強くて器用だったら、逆に外に出ようとは思わなかったんじゃないかな。大きく行動しなければ自分を変えられないと思っていました。本当は弱いから、強くするために、何かきっかけを与えないと、という気持ちで」 英会話の学習経験はほぼゼロ。それでも思いきって向かった海外では、これまでにない解放感を味わった。
「卒業した当時は、ありがたいことではあるんですけど、どこへ行っても気づいてくれる人がいて。でも、そのころは『もう私のことは見ないでほしい、誰にも見つかりたくない』みたいな、わがままな気持ちを持っていたので、留学先ではそういうストレスがグッと減って楽でしたね。留学自体に不安はありませんでした。ひょいっと行ってしまったというか。語学を先に学んで、ある程度話せるようになってからダンススクールに通いはじめたんですけど、スクールにはじめて行ったときは、門をくぐるのがすごく怖かった。緊張しました」 ダンスを学んだのはニューヨーク。身につけた英語をキープするため、今もオンライン授業を受けたり、海外のVlogをよく見たりしている。当時アメリカでは就労ビザの取得を目指し、真剣に芸能界引退も考えていたという。 「それがちょうどコロナ禍で、政権の政策が変わった時期でもあって、就労ビザがなかなか取れなくなってしまって。そんなとき、たまたま日本で仕事がどんどん決まって。でも、何か別の仕事をしてみたかったという気持ちはやっぱりありますね。今でもしれっとカフェで働いてみようかなと思うことがあるし、ドラマでOL役をやって、高層階のオフィスに行くと、『うわ~、ここで働きたい』と思ったり(笑)」