どうなるNext GIGA【3】GIGA端末はChromebookへの切り替えが進む
物価高騰のあおりを受ける
国が出す補助金額は端末1台当たり5万5000円。約7割の自治体は補助金の範囲内で調達する予定だ(図4)。 このところの物価上昇のあおりを受け、パソコンの価格もかなり上がってしまった。共同調達の課題や懸念を聞くと、半数近くが端末価格の高騰を挙げた(図5)。スタイラスペンや本体カバーなどの周辺機器を買う予算が足りないという声も2割近くに上る。端末の活用を持続するには、保守・運用や予備機の調達にもコストが掛かる、自治体はこれらの費用も手当てしておく必要がある。
国の補助金はこれが最後か
GIGAスクール構想第2期に必要な端末更新の費用は、国が補助金で支援した。少なくとも2026年度までは今回のスキームが継続する。しかし、2023年11月の閣議決定では「大宗の更新が終了する2026年度中に、地方公共団体における効率的な執行・活用状況について検証する」とされ、GIGAスクール構想の成果次第では、2027年度以降も国の支援が継続するとは限らない。 かつて文部科学省の担当課長としてGIGAスクール構想の陣頭指揮を執った髙谷浩樹氏(大臣官房審議官)は、地方自治体の財政措置が不十分な現状に対して、「補助金は種火にすぎず、自治体においてしっかりとした財政の議論が必要。いつまでも補助金があるわけではないので、このままではGIGAスクール構想の炎は燃え尽きてしまう」と危機感を表す。 さらに第3期の端末更新について、「3回目の補助金があるとは考えない方がよい」との見方を示す。義務教育の学習基盤となったICT環境は、旧来の学習基盤と同様、地方自治体の責任において維持するのが筋だということだろう。 初出:2024年10月14日発行「日経パソコン 教育とICT No.30」
文:江口 悦弘=日経パソコン