マンションの修繕積立金は10倍増額されるケースも! 資金不足で劣化リスクを抱える建物が増えている
修繕計画を定期的に見直し、それに合わせた修繕積立金の設定を
国土交通省がこれから修繕積立金の値上げ幅の目安を示すとしても、それぞれのマンションで必要な修繕積立金が確保されなければ意味をなさないだろう。 そのことを踏まえ、管理組合で議論できるようにする必要もある。とはいえ、機能しない管理組合が多いマンションでは修繕資金も不足し、いずれ管理会社も管理受託を断る可能性も出てくる。 そうなる前に、修繕積立金をしっかり確保するしかないし、修繕積立金を増額する前に管理組合の予算会計に無駄がないのかを見直すことから始める必要も出てくるだろう。 職人不足に加え、工事資材や人件費の高騰で、机上の修繕計画による修繕費用よりもはるかに高い工事見積もりになることは間違いなさそうだ。 住宅ローンを払い終わっても、マンションに住まう限りはずっと管理費と修繕積立金は払わなければならないことを考えると、修繕費用が不足したまま工事もできずに老朽化が加速するマンションが増えるリスクは残る。 定期的に修繕計画を見直して、それに合わせた修繕積立金を設定し直すことが快適なマンションライフを維持できる唯一の方法と言ってもいいだろう。
福崎剛