抜本的に進化した中型高級車 アウディ新型「A5」と「S5」欧州で販売開始 800万円弱から
新開発のハイブリッド採用
プラットフォームは17年前に導入された現行のMLBに代わり、新たにPPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバッション)が採用された。主にエンジン車向けの構造であり、Q6 eトロンなどEV向けのPPEとは基本的に関係がない。 アウディの伝統に則り、新型A5も縦置きのエンジンレイアウトを採用したが、電動パワートレインへの対応も容易だと言われている。 発売当初は非電動の純エンジン車と48Vマイルドハイブリッド車(MHEV)を展開する予定で、後者には新開発のシステム「MHEV Plus」が採用される。MHEV Plusは2基の電気モーターを使用し、発電効率の向上と強力な回生ブレーキを実現するものだ。 エンジンとしてはまず、フォルクスワーゲン・グループの4気筒ターボガソリンエンジン「EA888」を導入し、最高出力150psまたは204psの2パターンから選択できる。どちらもDCTと組み合わされ、四輪駆動のクワトロも用意されている。 ディーゼルも引き続き選択肢に残された。フォルクスワーゲンの2.0L 4気筒ターボディーゼルエンジンにMHEV Plusシステムを搭載した改良型が採用され、最高出力は204psに向上し、CO2排出量は10g/km削減されている。 S5は3.0L V6ターボガソリンエンジン(現行A8、Q7、Q8のユニットとは別物)を搭載する。可変ジオメトリー・ターボチャージャーとMHEV Plusシステムを組み合わせ、最高出力は367ps(先代S4のV6ディーゼルより20psアップ)、CO2排出量は14g/km削減されている。 来年には、電気のみで100km走行可能なプラグインハイブリッド(PHEV)も追加される予定だ。
デジタル重視のインテリア
新型A5のボディサイズは全長4829mm(先代比67mm増)、全幅1860mm(13mm増)、全高1444~1460mm、ホイールベースは2900mm(68mm増)と、全体的に大型化した。 エクステリアデザインは2021年に公開されたA6 eトロン・コンセプトの影響を受けている。特徴の1つは「クワトロ・マッスル」と呼ばれる、力強く盛り上がったフェンダーの造形だ。 新たに採用されたOLEDのフロントライトとリアライトはそれぞれ8つの点灯パターンが用意されており、パターンを継続的に変化させるダイナミックモードもある。 "飾り" のエグゾーストチップは、顧客からのフィードバックに応えて廃止された。 インテリアはアウディ最新世代のレイアウトとなっている。ダッシュボードには大型の曲面ディスプレイを備え、11.9インチのデジタル・インストゥルメント・ディスプレイと14.5インチのインフォテインメント・タッチスクリーンが統合されている。 インフォテインメント・タッチスクリーンは、エアコンやシートヒーターなどの機能を司る。 助手席にはエンターテイメント用の10.9インチ・タッチスクリーンを追加することができる。スクリーンには走行中のドライバーの視界を遮るフィルターが付く。
チャーリー・マーティン(執筆) フェリックス・ペイジ(執筆) 林汰久也(翻訳)