人に「優しくできない」ときに考えたいこと。元幹部自衛官の「無理しない人づきあい」のコツ
自分に余裕がないと人に優しくできない…なんてこともありますよね。今回は、元幹部自衛官で、働き方とメンタルについてのXの投稿が人気の(フォロワー17万人超え)のわびさんの無理をしない人づきあいのコツをご紹介します。
自分に優しく、あふれそうな分を人に「おすそ分け」
ほとんどの人は、小さい頃から「人に優しく」と教わります。そして、まじめな人ほどその教えを忠実に守りながら大人になっていきます。 「人に優しく」という教え自体はとてもすばらしいことなんですが、自分がしんどい状況でも他人に優しく振る舞おうとする人がいます。ただ、自分がしんどいときって心から優しくできないし、「自分はこんなに優しくしているのにほかの人は…」という具合にまわりに見返りを求めたりします。そして、そんな自分に気づくと自己嫌悪に陥ってしまいます。 でも、安心してください。自分が疲れているときは、他人に優しくなれないのが普通だし、無理して優しさを振る舞ってしまうと、その分の対価を求めてしまうものです。 たまに自分がどんなにしんどい状況にいても、他人に対して無償の優しさを与え続けられる人もいますが、そんな人はよほどの修行を積んだ成人だと思った方がいいです。多分、普通に生きていたら、しんどいときにも他人に優しくするなんて無理な話です。 これは私の2つの経験から悟ったことです。 ひとつは、自衛隊にいたときの話です。普段は優しい人が、過酷な状況の訓練で豹変してしまう場面に何度か遭遇したことがありました。過酷な状況とは、暑いときや寒いとき、おなかがすいたとき、寝てないとき、疲れているときなど。 このような余裕のない状況に陥ると、ほとんどの人は他人への優しさが消えてしまいます。 もうひとつは自分自身のことです。自分で言うのもなんですが、私はまじめな人間だったので、「人に優しく」という教えを忠実に守ってきました。パワハラと残業で自分に余裕がまったくないときでも、なんとか優しい人であろうと、ほかの人の仕事を手伝ったり、仕事やプライベートで落ち込んでいる人の悩みを聞いたりしていました。 でも、まわりから優しくされないことがあると、心の中で「優しさを返せ…」と地獄の餓鬼のように見返りを求めていました。