マイケル・クライトンの遺族、米新ドラマを「ER 緊急救命室」のパクリとして提訴
米人気医療ドラマ「ER 緊急救命室」の企画・制作総指揮を務めたマイケル・クライトンの遺族が、米製作会社ワーナー・ブラザーズ・テレビジョン(WBTV)を相手取り訴訟を起こしたと、米Deadlineが報じている。同社が手がけた新ドラマ「ザ・ピット(原題)」は「ER 緊急救命室」の続編企画を流用したものだと主張している。 「ザ・ピット(原題)」は、米ピッツバーグの現代病院で働く最前線の英雄たちを通して、今日のアメリカの医療従事者が直面する課題を現実的に描くとされる新ドラマ。「ER 緊急救命室」でジョン・カーター医師を演じたノア・ワイリーが主人公マイケル・ロビノビッチを演じている。 8月27日、クライトンの未亡人シェリー・クライトンは、ロサンゼルス高等裁判所に訴状を提出。被告にはWBTVの他、「ER 緊急救命室」の制作総指揮を務めたジョン・ウェルズ、ノア・ワイリー、脚本家のR・スコット・ゲメルらが名を連ねている。 訴状によると、WBTVは「ER 緊急救命室」の続編に関する1年間の交渉を打ち切った後、類似のコンセプトで「ザ・ピット(原題)」を企画。「同じエグゼクティブ・プロデューサー、脚本家、主演俳優、制作会社、スタジオ、ネットワークを起用している」と指摘し、契約違反や誠実義務違反、契約関係への意図的な干渉があったと主張している。 これに対しWBTVは、「クライトン遺族の訴訟は根拠がない。『ザ・ピット(原題)』は新しいオリジナル作品だ」とする声明を発表。「それ以外の示唆は虚偽であり、WBTVはこの根拠のない主張に対して断固として争う意向だ」と反論している。 「ER 緊急救命室」の続編企画は、コロナ禍で医療従事者が脚光を浴びたことをきっかけに浮上。ウェルズとワイリーが再タッグを組む構想が持ち上がったという。ワイリーは今年初めのポッドキャストで、「従来のリブートではなく、もっと小規模で抑制的な、古いキャラクターを追跡して現在の医療についての思いを探るようなキャラクター作品」を構想していたと語っている。 しかし、続編交渉は今年4月に決裂。その後、ウェルズとゲメル、ワイリーは「ザ・ピット(原題)」を企画し、2024年3月26日に米動画配信サービスのMaxから15エピソードの発注を受けている。