コーヒー牛乳「ミルクの束縛」が異例ヒット ローカルメーカーが目指す酪農の盛り上げ
■名前の由来は
「業界の常識にとらわれず、新しい切り口で提案をしてくれる企業をパートナーに」と商品ブランディングの依頼先に選んだのは、ユニークな広告企画に定評のあったIT企業「カヤック」(神奈川県鎌倉市)だった。
素材は3つ、味わいの決め手は75%を占める生乳。カヤックの担当者は、パッケージで素材のシンプルな味わいをストレートに言葉にして伝えることにした。
パッケージの茶色い面に、「一口目はゆっくり味わってください」「生乳、珈琲、砂糖、以上。」。別の白い面には大きく商品名を。
500ミリリットルで233円。賞味期限は製造日から12日と通常より短い。現在は関東甲信越1都9県と静岡県の一部のファミリーマートで販売。さらに全国販売を目指して準備中という。
束縛の名付け親は、カヤックのコピーライター、合田ピエール陽太郎さん。このプロジェクトで生乳のおいしさを知ってから、「普段の買い物でも、生乳の割合を気にするようになり、いつの間にかミルクにとらわれちゃっていることに気づいた」ことが由来となった。
70歳の宇畑さんは、「われわれ世代にとって懐かしい味で、ミルクの風味もしっかり感じられておいしかった」と語り、「多くの人に生乳のおいしさを楽しんでもらい、全国に広がっていくのは、とてもうれしいし、酪農業界の活力になる」と期待を寄せた。(本江希望)