人を動かすコミュニケーションスキル。心理学的トリックを使った話し方10選
私たちは「自分は何にも依存しておらず、自分で自分をコントロールできている」という幻想を抱いています。 しかし、実はさまざまな心理的トリックを使って他人を操ることができます。 そして、広告・マーケティング業界全体は、この心理的トリックのうえに成り立っているのです。 ですから、ちょっとしたマインドコントロールで物事を思いどおりにできても当然ですが、心理的トリックを深堀していくと、多くの疑似科学や怪しげな主張に遭遇するのも事実。 しかし、すぐに他人の心をコントロールしたり、催眠術で人を思い通りに操ることはできないにしても、実際に効果があり、科学的な証拠に裏付けられた心理的トリックは存在します。 日常生活で少しだけ有利に物事を運びたいと思うなら、以下にご紹介する心理的トリックを活用してみてください。実際に効果がありますよ。 目次 1. 相手に「借り」ができたと思わせる 2. ミラーリング 3. 譲歩的要請法 4. 反復バイアス 5. 希少性をほのめかす 6. 自信ありげに堂々と話す 7. 相手に名前で呼びかけながら話す 8. たびたび顔を合わせる 9. 他人を褒めるとその褒め言葉が自分に返ってくる 10. さりげなく相手の身体に触る
1. 相手に「借り」ができたと思わせる
誰かに何かをさせようとして抵抗されたら、まずこちらが相手に何かをしてあげることで、相手がこちらに「借り」ができたと感じさせることも1つの方法です。 これは、「返報性の原理」と呼ばれるもので、基本的に人は相手から受けた好意に報いなければならないと感じる性質があります。 たとえば、信号待ちをしているときにフロントガラスを掃除してくれた人がいて、その人がチップを要求してきたとします。 そうすると、こちらはフロントガラスの掃除を頼んだわけではありませんが「掃除してもらったら、お返しをしなければならない」というプレッシャーを感じてしまうのです。 このような「貸し」をつくるには、さまざまな方法があります。 レストランで給仕が請求書に個人的なメモを書き込むのは、好意という「貸し」をつくり、より多くのチップをもらうためです。 企業が商品やサービスの試用を無料で提供するのも、一度そうしたサービスや商品を使った人は「借り」ができたと感じて、キャンセルや返品をしにくくなることがわかっているからです。 ですから、誰かに何かをしてもらいたいのに相手が気乗りしていないと感じたら、先にこちらが何かしてあげると、成功する確率が高くなります。