人を動かすコミュニケーションスキル。心理学的トリックを使った話し方10選
2. ミラーリング
そう、「The Office」でAndy Bernardが使っていたのは、科学的な裏付けがある正当な心理的トリックです。 「パーソナリティ・ミラーリング」または「カメレオン効果」とは、人間が無意識のうちに周囲の人たちの姿勢や態度、そのほかの行動を真似してしまうことを言います。 ある行動を観察している人は、その人自身もその行動を真似る可能性が高まるという「知覚と行動のリンク」と呼ばれる現象があるため、私たちは皆、このような行動を取る傾向があります。 このことを利用して、影響を与えたい人の物腰や行動を意識的にミラーリングしてみましょう。 すると、相手の信頼感が増し、こちらは権威があり信頼できる人物に見えてきます。 ミラーリングにより、相手はこちらを見ていると自分自身を見ているような気がするからです。
3. 譲歩的要請法
誰かに何かをさせたいときは、Door in The Face(DITF)テクニックを試してみましょう。 まず相手に、こちらが本当に望んでいることよりもずっと難しいことや、とんでもないことを頼みます(相手は間違いなく拒否するでしょう)。 そしてそのあとに、ぐっと難易度が低い本当の望みを話します。 すると、相手が引き受けてくれる確率がぐっと高くなります。 これがDITF(このテクニックの名前は、強引なセールスマンに対して世間はドアをバタンと閉めるというコンセプトに由来します)で、前述の「返報性の原理」を軸にしています。 こちらが要求を下げると、相手はそれは無意識のうちに譲歩と認識し、「借り」が生じます。 そして、こちらの「難易度を下げた」要求に同意することで、その「借り」を帳消しにしたいという強い衝動に駆られます。
4. 反復バイアス
誰かに何かを納得してもらいたいとき、もっとも強力な心理的トリックの1つが「反復バイアス」と呼ばれるものです。 基本的に、どのような発言も、それが繰り返されるほど、正当だと思ったり真実だと思ってしまいます。 つまり、明らかに嘘や不正確な情報であっても、繰り返せば繰り返すほど、人はその言葉を信じるようになります。 これは「真実性の錯覚」と呼ばれるもので、ここ数年、事実に基づく情報にアクセスできる膨大な数の人々に対しても、この効果がどれほど強力になり得るかが明らかになっています。 ですから、次に誰かを説得する必要があるときは、ひたすら繰り返して言えば、やがて相手は疲れて根負けするはずです。