ラウンドワン「米国市場で50店舗超の成功」の理由。単純な“日本式サービスの輸出”ではなかった
アメリカの既存エンタメ施設のスキマ
また、フードサービスも米国展開の成功の一端を担っています。ラウンドワンのアメリカの店舗では、現地の食文化に合わせたメニューを導入。フライドフーズやピザといったアメリカ人が好む定番メニューに加え、日本食のエッセンスを取り入れることで、エンタメと食の融合を実現しました。これにより、家族連れやグループが施設に長時間滞在するようになり、収益を上げる要因となっています。 さらに、ラウンドワンが米国で目指したのは「多様なアクティビティを一か所で楽しめる」という利便性です。米国には、ボウリング専用施設やアミューズメントパークなど、単一のエンタメ施設は多いですが、ラウンドワンのように、あらゆる娯楽を一か所で提供できる複合施設は少ないのです。この差別化戦略が、ラウンドワンの米国での成長を支えています。
新規事業「ラウンドワンデリシャス」の挑戦
ラウンドワンは、エンターテインメント施設の運営だけでなく、フードビジネスにも本格的に参入しています。その象徴が「ラウンドワンデリシャス」です。この新規事業は、アメリカにおける日本食の人気を背景に、ラウンドワンが食の分野でも挑戦を始めた取り組みです。 アメリカでは、寿司やラーメン、和牛など、日本食が広く受け入れられています。ラウンドワンはこのトレンドを捉え、国内の超人気レストラン16店舗と提携し、アメリカの主要都市に日本食を提供する「ラウンドワンデリシャス」を立ち上げました。 この新規事業は、2025年夏にニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガスの3年を皮切りに、サンフランシスコ、シカゴ、ホノルルなどの主要都市で展開される予定であり、ラウンドワンのエンターテインメント施設と連携している点が特徴です。 出店計画としては向こう5年で10都市に200店舗を目指すという、大掛かりな日本食ドリームプロジェクトであり、「ラウンドワンデリシャス」は日本の食文化を海外に広める重要な役割も担う可能性が高いと言えるでしょう。これにより、ラウンドワンはエンターテインメント業界のみならず、飲食業界でもグローバルな存在感を示し始めています。今後、ラウンドワンデリシャスが全世界でどのように成長していくのか注目が集まっています。