和楽器バンド・山葵さん(35)が「大腸がん」を公表 早期発見の方法や検査を医師が解説
8人組のロックバンド「和楽器バンド」のドラマー・山葵さん(35)が、大腸がんを患い手術を受けたことを自身のSNSにて発表しました。大腸がんはステージ1でした。 【イラスト解説】「大腸がん」になる可能性が高い“食べ物” 「精密検査の結果、リンパ節転移も見受けらませんでした。」「健康診断大事!人間ドッグ大事!」と綴っています(本人X:@wasabistより引用)。そこで、大腸がんに気づくきっかけや早期発見のポイント、各種検査について、医師の松井先生に解説してもらいました。 ※この記事はMedical DOCにて【「大腸がんに気づいたきっかけ」となる症状はご存知ですか?予防のポイントも解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
【この記事の監修医師】 松井 信平 先生(医師) 慶應義塾大学医学部卒業、慶應大学関連病院での修練後、慶應大学のスタッフへ就任、2023年4月よりがん研有明病院スタッフ勤務。専門は消化器外科・大腸がん。
大腸がんとは
大腸は長さが1.5~2mあり、水分を吸収する機能がある臓器です。主に盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸に分かれています。大腸の壁を構成するのは粘膜・粘膜下層・固有筋層・漿膜下層・漿膜の5種類の層です。 大腸がんは良性のポリープががん化する場合と、粘膜から直接がんが発生する場合があります。 がんが進行すると腹膜播種・リンパ節転移・肺や肝臓への転移が起こります。40歳代から大腸がんになる人は増え、年齢が上がる程大腸がんにかかりやすくなるため注意が必要です。 2018年の発生部位別がん死亡者数で大腸がんは男性で3位・女性で1位です。日本人ではS状結腸がんと直腸がんが多いといわれています。
大腸がんに気づいたきっかけとなる症状
早期大腸がんの自覚症状はほとんどありませんが、進行してくるとさまざまな症状が出てきます。大腸がんに気付くきっかけとなる症状をご紹介します。 「血便・便秘などの便異常」 大腸がんになるとがんから出血しやすいため、血便が出たり便に血がついたりします。出血が長く続くと貧血になり、めまいや息切れなどの症状の原因となります。 また、便秘になりやすく残便感や便が細くなることもあり、これはがんによって腸が狭くなることが原因です。 「慢性的な腹痛・嘔吐」 がんが大きくなって腸が狭くなり、便がうまく通れないことにより食欲不振・嘔吐・腹痛などの症状が出ます。 特に硬い便が通る下行結腸・S状結腸・直腸では、腹痛・嘔吐・血便・細い便などさまざまな症状が出やすいです。気になる症状が続く場合は、病院で検査をして適切な治療を受けましょう。 「体重減少」 がんが大きくなると体重が減少します。ダイエットもしていないのに、1ヵ月間に1kg以上減る状況が3ヵ月続く場合は要注意です。 がんになると体重が減る理由は、がん悪液質という状態になるからです。がんから出る物質により筋肉量が著しく減ったり、栄養をうまく使うことができなくなったりします。 「腸閉塞」 がんが大きくなりまったく便が通らない状態になると、激しい腹痛・便が出ない・嘔吐の症状が出ます。 腸が完全に閉塞した状態になり、嘔吐したものが緑色や便臭のする茶色になる場合があります。放置すると命に関わるケースもあるので、ただちに受診が必要です。