【佐藤ブゾン貴子さん】衣装デザイナーとして更なる高みを目指し渡ったパリで挫折、「相貌心理学」「夫」との運命的な出会い
夫・エリックさんを伴い帰国、八王子にガレット店『カフェ ドゥ ラ ポスト』をオープン
2012年にエリックさんと結婚し、2015年に帰国。2016年にはガレット店『カフェ ドゥ ラ ポスト』をオープンします。店名の由来は、エリックさんが元郵便局員だったから。日本への帰国は予定していたことではなく、いくつかの条件が重なり決まったことでした。 「日本にいた父が認知症になり、母が一人で看ていたので放っておくことはできませんでした。当時エリックは郵便局員として安定した生活をしていましたが、人生がつまらなさそうで満足していなさそうに見えました。相貌心理学的に言えばエリックは変化を求める顔をしているんですよね。だから“変化の中に身を置いた方が才能や満足感を得られるよ”と誘ったら、日本に行くことに賛成してくれて。その後、たまたま訪れたブルターニュにある料理の専門学校『クレープ大学』を見つけ、日本でガレット店を出せたらと夫婦で集中講座を受けて学びました」 お店をオープンして8年、エリックさんはシェフとして、ブゾンさんは接客としてお店に立ちます。カリカリサクサクのガレット生地にフレッシュな野菜やチーズがトッピングされ、食べごたえがあるのに軽い。この味を求めて遠方から訪れるガレットファンがいるのも納得です。
50代に突入、最近の楽しみは手話を習うこと。大学院で相貌心理学をさらに勉強するのが目標
ブゾンさんの最近の楽しみは手話を習うこと。日野市が主催する手話教室に5月から通っています。きっかけは、お客さんに耳(音)が聞こえない方がいて、その人とコミュニケーションを取りたいと思ったからです。 「留学中に言葉の壁があったことで共通言語の大切さを学びました。共通言語があるから人同士が分かり合える。人は集団で生きる生き物だから、1つのコミュニケーションツールが使えないならそれに変わるコミュニケーションツールは必須。だから最低限のコミュニケーションが取れたらと手話を習いに行っています。 教室は毎週水曜日、年齢層も幅広く高校生から70代の方や、養護学校の先生まで、いろいろ方が参加しているので、その方たちとのやり取りや顔を拝見するのも面白くて。私は声が大きいのですが、手話の動作も大きくていつも注意されちゃうんです(笑)。いつも教える立場が多いので教えてもらうのも新鮮です」 興味があることにパワフルに邁進し、どんな時も自分の人生を生きるブゾンさん。50代、これからの目標について聞いてみました。 「大学院に通って、相貌心理学をさらに勉強したいと思います。フランスで相貌心理学は、ビジネスやコミュニケーション、医療の現場でも採用されている有効性のある学問です。今私のやっている日本での活動は、私というフィルターを通した“楽しい相貌心理学”でしかない。だから臨床心理学からきちんと勉強し、フランスで活用されているように本来の姿、心理学の一分野として認めてもらえるような実績を残したいです。また臨床心理学を学ぶことで、その人の問題点や悩みを改善・解決できるようになれたらとも思います」