カワサキ「Z2」フルレストア フレーム単品で始めてわかるリアルコンディション
単品フレームからこそ点検できる箇所だらけ
おおよそ2時間程度の時間を要し、分解バラバラ&単品なったメインフレーム。スイングアームや周辺小物を含めた「ツヤ有りブラック部品」と、カワサキ車特有の「半ツヤブラック部品」は、パウダーコーティングにて仕上げることにしました。
作業をお願いしたのは愛知県のパウダーコーティング・カトーさん。ぼく個人的には、以前に750SS/H2-Aのフルレストア時に、カワサキ調ブラックで作業依頼していた経験があるので、今回も安心してカトーさんへお願いしました。仕上がりは美しく、組み立て時にエンジンマウントボルトを締め付ける際にも、気遣う必要などありません。とても密着が良いペイントです。スムーズに組み立て復元できるのが、何よりも嬉しいです。
一般的なペイントでは、ボルトを締め付けたときに塗膜がパリッと割れてしまうケースが少なくありません。一方、パウダーコーティングの場合は、スプリングワッシャが喰い込んでも塗膜が割れないほど密着力が高いのです。 以前にフルレストアしたH2をモーターサイクルショー会場に展示する機会がありましたが、絶版旧車ファンのみならず、フレームペイントに関する質問が数多く寄せられたのには驚きました。それほどまでに美しい仕上がりだったのだと思います。同じパウダーコーティング塗料を使っても、バイクを良く知るコンストラクターさんへ作業依頼すると、その仕上がりが格別なのです。パウダーコーティングに関して言われがちな「厚ぼったい感じ」など一切ありませんでした。 すべての部品を取り外して、フレーム単品にしてから各部のコンディションを確認点検しました。サイドスタンドのハネ上げ時に干渉してしまう(集合管仕様だと左マフラーのストッパーが無くなってしまうことでサイドスタンド先端とフレームが干渉してしまう)部分と、右側ダウンチューブの上正面にあった僅かな凹は、ロウ付けにて肉盛り&研磨した後にペイント依頼しました。補修部分は違和感無く仕上がってきました。