横浜の期待の1年右腕・織田翔希は向上心の塊 理想の直球とは
松坂大輔氏(本紙評論家)を擁した97年以来、27年ぶりに明治神宮大会を制した横浜(神奈川)。今チームとしては公式戦負けなしの15連勝で秋の日本一に立ち、村田浩明監督も「一戦一戦、目の前の試合に集中して戦ってきた結果」と手応えを語った。タレントぞろいのメンバーの中で最も注目を集めたのが、最速151キロ右腕・織田翔希投手(1年)に違いない。 投げるたびに成長を示した秋だった。勝てば来春の選抜出場が当確となる東農大二(群馬)との関東大会準々決勝では、被安打2で公式戦初完封。入学直後の春の神奈川県大会から公式戦のマウンドに立つ期待の1年らしく「自分を成長させてくれる場所だと思って楽しんで投げられた」と堂々と言い切った。 自らの成長のためなら一度決めたことは貫いてきた。夏以降は「スーパー1年生」としてさらに注目を集めるようになり、試合後はネット上にも多くの速報記事が掲載される。だが織田は「SNSとかでも自分のことは一切見ません」と明かした。その考えを問われると「見てしまうと現状に満足してしまうかもしれないので。自分はまだまだな投手だと思っているので、実力を過信しないようにネットニュースとかも見ないようにしています」とここまでの実績に満足したことは一度もない。 理想の直球については「バックネットまで全く落ちることなくそのまま突き刺さるようなボール」と表現していた。既に2年後のドラフト候補として多くのプロスカウト陣も注目する逸材。向上心を持ち続ける右腕が一冬越えた来春、どのような姿を示すのか楽しみで仕方がない。(記者コラム・村井 樹)