「デジタル化からサステナビリティーまで」デジタル変革を推進する--AVEVA・小暮日本統括
2025年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。 AVEVA バイスプレジデント 日本統括 小暮正樹氏 新年、明けましておめでとうございます。 2024年は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。 2024年は、産業界全体でAIとデジタル技術の実用化が大きく進展し、より知的で持続可能な未来への歩みが加速した年となりました。労働力不足や設備の老朽化、データのサイロ化など、世界共通の課題に直面する中、データ活用による生産性向上と意思決定の最適化が、ますます重要になっています。 このような環境下で、AVEVAは産業用ソフトウェアのリーディングカンパニーとして、お客さまのデジタル変革を以下の分野で力強く推進してまいりました。 まず、産業用AIの実用展開において、大きな前進を遂げました。AIは現在、複雑な工程の最適化や予知保全にとどまらず、人間とのより自然なインターフェースを通じて、経験の少ない作業者でも高度な判断をサポートできるまでに進化しています。特筆すべきは、生成AIの産業応用です。この技術により、エンジニアリング工程の自動化が可能となり、例えば工場内の配管レイアウトを最適化する際に、配管の最小化、流量の効率化、空間制約の考慮などを自動的に行えるようになりました。 これらの技術革新は、「AVEVA Unified Engineering」や「AVEVA PI Data Infrastructure」などの主力ソリューションを通じて、多くのお客さまにご活用いただいております。特に、日本触媒さまにおける「AVEVA Unified Engineering」と「AVEVA CONNECT」の統合的な活用は、エンジニアリングからオペレーションまでの一貫したデジタル化の好例となりました。 また、三菱ケミカルさまの東海事業所では、AVEVA PI Data Infrastructureの導入により、データドリブンな操業と、運転管理および設備管理の効率化を実現されており、製造現場のデジタル変革における重要なマイルストーンとなっています。 化学産業での実績とともに、電力分野においても、持続可能な運用を実現するデジタル技術の導入を支援してまいりました。リアルタイムの運用データ分析とAIを活用した予測保全により、設備の信頼性向上と運用効率の最適化を実現しています。特に、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う需給調整や、エネルギー貯蔵システムとの連携において、デジタル技術を活用したスマートグリッドの実現に貢献しております。 これらの成果を踏まえ、2025年は次の重点施策を推進してまいります。 まず1つ目は、産業用AIのさらなる実用化です。自然言語インターフェースやジェネレーティブAIの活用により、より直感的で効果的なソリューションを提供してまいります。特に、熟練作業者の知見のデジタル化や設備保全の効率化において、画期的な改善を実現したいと考えています。これにより、AIは単なるデータ管理ツールから、積極的に解決策を提案するパートナーへと進化していくでしょう。 2つ目は、企業の垣根を越えたデータ連携とエコシステムの構築です。部分最適から全体最適への転換を加速させ、化学、製造、半導体、EVバッテリー、データセンターなど、既存・新規の領域を問わず、業界を横断した価値創造を推進していきます。この実現に向け、デジタルツインやシミュレーション技術を活用し、より効率的な製品開発とプロセスの最適化を進めてまいります。 3つ目は、グリーントランスフォーメーション(GX)とデジタルトランスフォーメーション(DX)の統合的な推進です。AVEVA PI Data Infrastructure、「AVEVA Manufacturing Execution System(MES)」「ARAS」、AVEVA CONNECT、「Industrial AI」の5つのソリューションを基盤として、お客さまの環境負荷低減と持続可能な成長をサポートしてまいります。具体的には、エネルギー使用量の可視化と最適化、廃棄物の削減、循環型プロセスの確立に加え、水素を中心としたエネルギートランジションの支援など、明確な成果の創出に注力いたします。 私たちAVEVAは、デジタル化からサステナビリティーまでの一連の取り組みを通じて、お客さまのビジネス変革と持続可能な成長をご支援してまいります。産業のデジタル革新を通じて、より効率的で持続可能な社会の実現に貢献することが、私たちの使命です。 2025年も引き続き、お客さまとともに新たな価値の創造に取り組んでまいりたく存じます。変わらぬご支援とご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。