限りなく本物に近いポルシェは1700万円弱で落札! 改造にかけた費用を考えたら超お買い得だった「911 RSR レプリカ」の本気度を紹介します
ベースは1981年式のポルシェ 911SC
ベース車両とした市販型911のモデルイヤーは1981年、つまり「911SC」だったため、オーナーはプロジェクトが完了した時点で、公道で同法的に走行するためのホモロゲーションを確保することができた。さらにいえば、2994ccのエンジン容量とシャシーはR7と基本的に同一である。くわえて、3.0SC用ブロックはもとよりFIA適合の鋳造番号を持ち、915/63ギアボックスも適合している。 このレストアおよび「レクリエーション」に際しては、まずはボディを解体し、公道走行にも適用可能なホモロゲーションによる6点式ロールケージを取り付けた。ボディは、有名なメアリー・スチュアートの3分割スポイラーを再現して作られた。 また余分な重量を抑え、1973年スペックに適合させるためフェンダーと開口部は複合素材で製作されたものの、この減量計画の唯一の例外はドア。公道走行も想定しているため、安全上の理由から依然としてシートメタル製とされた。 いっぽう、ボディのリバリーについてはル・マンのRSRと同じ、有名な「マルティニ」のカラーリングで完璧に仕上げている。
とことんやりつくしたつくり込みを思えば、かなりリーズナブル?
このほどボナムズ「グッドウッドFoS」オークションに出品されたポルシェ 911 カレラ RSR レクリエーションは、欧米で盛んなクラシックカーレースにも即座に対応できるスペックとされているという。サーキット走行を考慮して、トラックセッティングも可能な「ビルシュタイン」社製のショックアブソーバーが装着され、ランニングギアはフルアジャスタブル。特注のホイールリムは超軽量の鍛造アルミニウムで加工されている。 さらに外観から確認できる変更点としては、センターロックのハブや「917」と同じリムデザインが1973年モデルのRSR化に対応しているかたわら、FIAアペンディックスKに準拠したホモロゲーション済みキャリパーや、レース規格のブレーキパッドとタンデムマスターシリンダーシステムが装備され、性能に見合った制動力を発揮する。 現時点において3Lのフラット6エンジンはフルチェック済みながら、FIA仕様で要求される機械式インジェクションポンプやスライド式スロットルは備えていない。排ガス対策テストに合格するため、オーナーはこの車両にFIA公認ではないウェーバー46 IDAタイプのシステムを装着させたからである。 くわえて、サーキット用のステンレス製RSRタイプのメガフォン型エキゾーストは、公道走行に向けてスタンダードRSタイプのマフラーを装着できるようになっている。 さらに、パッセンジャー側にはFIAホモロゲート済みのバケットシートや6点式ハーネス、自動消火器システム、FIA公認のキルスイッチ、助手席側から調整可能なペダルボックスが装備されている。