限りなく本物に近いポルシェは1700万円弱で落札! 改造にかけた費用を考えたら超お買い得だった「911 RSR レプリカ」の本気度を紹介します
製作には2年以上の期間を経て完成
1973年のル・マン24時間レースで活躍したワークスRSRに可能な限り近づけるため、この911 カレラ RSR レクリエーションの製作には2年以上の期間と、広範囲におよぶ時代考証的なリサーチと専用パーツの開発が不可欠となった。また、公道走行に供するためのホモロゲーションは維持され、公道を走ることのできる最も驚くべきポルシェのひとつとなったといえるだろう。 とはいえ、「FIA 3053」ホモロゲーションにほぼ適合しているため、たとえばポール・リカール・サーキットで開催される「2トゥール・ド・オルロージュ」など、多くの歴史的な競技イベントでそのまま出走することが可能とのことながら、「ピーター・オート」社主催の「ル・マン・クラシック」や「トゥール・ド・フランス」のような、より格式の高いイベントには当時と同じFIAスペックの機械式インジェクションを装着するなど、いくつかの改造が必要となることは確認されていたようだ。 この3L 911にはベルギー交通当局発行の車両登録証、乗用車として公道走行可能であることを証明するテスト報告書、FIA仕様に適合するよう施された改造の詳細が記載されたファイルも添付。これは落札者の要望に応じて入手可能であり、車両のコンディションに関する報告書に含まれるとのことであった。 今回のオークション出品に際して、ボナムズは9万ポンド~14万ポンド(約1668万円~2594万円)という、レストアとレクリエーション化に投じた費用と労力を考慮すれば、かなりリーズナブルとも感じられるエスティメート(推定落札価格)を設定した。 そして2024年7月12日のオークション開催日。競売が始まってみると、ビッド(入札)の伸びはイマイチだったものの、それでも終わってみれば、エスティメートの下限ぎりぎりの9万ポンド。すなわち日本円に換算すれば、約1668万円で落札されることになったのである。
武田公実(TAKEDA Hiromi)