年金を「月20万円」以上もらっているのは、たったの「15%」もいない!? 20万円以上もらえるのは年収いくらから? 必要な年収を試算
現在年金を受け取っている人もこれからだという人も、周りの人が年金をどれくらいもらっているのかが気になる人は多いのではないでしょうか? 本記事では、年金を月20万円以上もらっている人の割合と、20万円もらうためには現役時代どれくらい稼げばよいか解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
年金制度は2階建て
日本の年金制度は国民年金と厚生年金の2階建てです。1階部分は国民年金で、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は必ず加入しなければなりません。2階部分の厚生年金は会社員や公務員などが加入しています。 そして、原則として65歳から国民年金の加入者は老齢基礎年金を、厚生年金の加入者は老齢厚生年金を受け取ります。
年金を月20万円以上もらっている人の割合
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の受給権者は男性が1060万440人、女性が539万6261人、合計で1599万6701人です。そして、厚生年金を毎月20万円以上受け取っている人数と、全体に占める割合を表すと図表1のとおりです。 図表1
厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況を基に作成 図表1では年金月額ごとの割合ですが、20万円以上で計算すると、男性は21.7%、女性は1.2%、合計では14.8%です。 なお、厚生年金に加入できるのは会社員や公務員などで、フリーランスや自営業者は国民年金のみに加入しており、厚生年金に加入していたことがなければ、老齢基礎年金しか受け取れません。 老齢基礎年金の満額は2024年度は6万8000円ですので、老齢基礎年金のみの人を合わせると、年金を毎月20万円もらっている人の割合はもっと少なくなります。
年金を月20万円以上もらうためには現役時代にどれくらい稼げば良いか
老齢厚生年金をどれだけの金額受け取れるかは、現役時代の年収や勤務期間次第です。今回は厚生労働省が提供する「公的年金シミュレーター」にて、年金受給額が20万円を超えるにはどれだけの収入が必要なのか計算していきます。 【シミュレーションの前提】 ・生年月日:1980年1月1日 ・勤務期間:22歳~64歳 ・年金受取開始時期:65歳 この前提でシミュレーションをすると、年金受給額が月20万円を超えるのは、現役時代の平均年収が690万円でした。 国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は男性が563万円、女性が314万円、全体では458万円ですので、690万円稼ぐのは簡単ではないでしょう。