林咲希先輩の助言生かしスリー連発 精華女子高「6番目の選手」米森奈々心 U18日清食品九州ブロックリーグ【高校バスケ】
大上晴司監督「流れを変えてくれた」
U18日清食品 九州ブロックリーグは1日、全日程を終え、精華女子は11月30日の小林戦で94―55と快勝し、最終日を待たずに初代女王を決めた。 ■世代別日本代表にも選ばれた精華女子のエース清藤優衣【写真】 6月の九州大会決勝で76―72と苦しめられた相手を寄せ付けなかった。第1クオーター(Q)途中から出場した米森奈々心(ななみ・3年)が、前半だけで3点シュート5本を沈めた。大上晴司監督は「米森が流れを変えてくれた」とたたえた。 試合序盤で一気に突き放した。右ウイングで待ち構える米森が好アシストを受け、立て続けにスリーを決める。1Q残り5分。18―4の好発進で小林にタイムアウトを取らせた。「朝の練習では入っていなかったのですが、ガードの中釜(光来・3年)からノーマークでパスがもらえて落ち着いて打てました」とほほ笑んだ。 1年生時からベンチ入りし、今年のチーム発足からシューターとして先発出場してきた。留学生のアキンデーレ・タイウォ・イダヤット(2年)がけがから復帰。「6番目の選手」としての役割を果たそうと気持ちを切り替えた。シュート力に加え、ムードメーカーとしてベンチ、コートで存在感を発揮する。「タイウォが戻ってきたら(158センチの)サイズを考えて、ベンチスタートになる可能性が高いと考えていました。仲間のプレーを褒めて盛り上げるようにしています」 シュートの精度向上には大先輩の林咲希(Wリーグ富士通)の助言が生きている。パリ五輪女子日本代表のキャプテンとしてこの夏、母校へあいさつに訪れていた林に練習メニューなどを教わった。2点のジャンプシュートを打ってから3点シュートを打つドリルを繰り返している。「入らなくても味方はパスをくれるから、思い切って打ち続けることが大事」という言葉を励みに試合に臨む。 米森の途中起用に加え、九州ブロックリーグ7試合を通じて、これまで出場機会の少なかった3年生、下級生もプレータイムを延ばせた。経験を積み、チーム力は厚みを増した。キャプテンで絶対的エースの清藤優衣(3年)も「徹底マークを受ける試合が増えましたが、落ち着いて周りを見て頼れる仲間を生かしながらプレーできるようになりました」。清藤のタフショットが減り、オフェンスの効率も上がっている。 九州で初開催となったブロックリーグ初代女王の座は通過点。集大成の冬こそ、今年のチームの目標「日本一」をかなえる。
西日本新聞社