紀州のドン・ファンから「2000万円借りパク」、「嫁入り道具から注射針」の自称・大手事務所所属女優の強心臓
■ 真美ちゃんがついた嘘 さらに吉田氏は、彼女の“芸能活動”について話を振った。真美ちゃんによれば、大手芸能事務所バーニングに所属して、女優やモデルの仕事を3年ほどしていると説明した。 「凄いですね。業界有数の事務所じゃないですか」 吉田氏は大袈裟なほどヨイショしたという。 そして、 「じゃあ川井さん(仮名)をご存知ですか?」 と尋ねた。 すると真美ちゃんは、 「社長は周防さんですが、私は特別に周防さんに可愛がられているので、川井さんという方は知りません。タレントさんはたくさんいてスタッフさんも多いので、誰それを知っているかと言われても……」 真美ちゃんは笑顔でそう答えた。彼女の言う「周防さん」とはバーニングの周防郁雄社長のこと。「芸能界のドン」とも称される大物で、一般的にもその名は知られている。だが、吉田氏が振れた「川井さん」のことは知らないという。吉田氏はそれで真美ちゃんがウソをついていると確信したという。 「キミ、ウソをついているね。川井さんはバーニングの番頭さんで会社のナンバーツーだよ。バーニングの人間で川井さんを知らないなんてあり得ないよ」 川井さんは、週刊誌などに頻繁に名前が出るような人ではないが、世話好きで知られ、業界でその名を知らない者がいないほど大物だった。残念ながら昨年亡くなっている。 吉田氏の指摘で顔面蒼白となった真美ちゃんは、最期には野崎氏の前でウソを認めた。ついでに言えば、さらに20代後半と自称していた年齢も実は10歳以上もサバを読んでいたことも認めた。 これによって野崎氏の真美ちゃんに対する思いは急速に冷えていった。
■ ヨリが戻ったドン・ファンと真美ちゃん 「あんな女は絶対にダメですよ」という吉田氏に、「はいはい、分かりました」と野崎氏も応じていた。 となると、残る問題は真美ちゃんに貸した形にしていた2000万円だ。野崎氏はすぐさま「貸した2000万円を返せという訴訟を起こす」と真美ちゃんに伝えた。 ところが、男と女の仲というのは不思議なものだ。なんとその後、2人のヨリが戻ったのだという。野崎氏は吉田氏に対し、ベッドの上での相性が良いのだと打ち明けたという。再び2人の結婚話が動き出した。お互いがそれでよければ、吉田氏があれこれ言うことでもない。 2017年の夏前、真美ちゃんは野崎氏の田辺の自宅に嫁入りのためとして2トントラックいっぱいに自分の家財道具や段ボール箱を送ってきた。ただ、肝心の真美ちゃんはやってこなかったので、その荷物は野崎氏の自宅脇にあるガレージに保管されることになった。 そしてその後、真美ちゃんは田辺にやってくることはなかった。もちろん野崎氏と入籍もしていない。 その年の冬、野崎氏は早貴被告と知り合い、翌18年2月に入籍。そして同年5月24日、自宅で亡くなった。そして、その死因が急性覚醒剤中毒であることが判明すると、野崎氏の死は完全に「事件」となった。