【不倫余波続く玉木雄一郎氏】脇は甘かった、それでも政策を実現せねば永久に訪れない不倫と政策とのデカップリング
(渡辺 喜美:元金融担当相、元みんなの党代表) ■ 不倫報道の3時間後にはあっさりと認めたが 【写真】衆院財務金融委で笑顔を見せる安倍首相と麻生財務相(いずれも肩書は当時)。「彼らは省益のためなら政権を倒すことも辞さない」。安倍氏も、消費税増税延期をめぐってそう振り返ったという 「私の人生も素晴らしい女たちとの出会いによって形づくられてきたことは確かだ。何かの歌の文句にもあったように『所詮この世は男と女』であり、あのハリウッドの名作『カサブランカ』の主題歌『As Time Goes By』(時の過ぎゆくまま)の通りとすれば、私の放蕩も言い逃れできるに違いない」(石原慎太郎) 「カネも女(男)も権力も、3点満点になったヤツは必ず失脚する。田中角栄しかり、三越の岡田しかり。平等社会の日本では2点でもアウトだ。権力を持つ政治家の許容限度はせいぜい1、2だ。多少お喋りだとか、多少大酒飲みだとか、だな」(ミッチー語録) 先の総選挙で4倍増の28議席を得てキャスティングボート勢力となった国民民主党の玉木雄一郎氏がいきなり女性スキャンダルに見舞われた。 選挙中に逢引きに使ったであろう高松市内のホテルのエレベーター前や、選挙3日後に密会した都内ワインバーからパーカーのフードを被って出てくる玉木氏の写真が撮られており、否定し難い証拠となった。 玉木氏は不倫報道の3時間後には、あっさりと認め、妻に全てを話し謝罪したことを明らかにした。
■ 妻やオカンに叱られて家庭内別居処分になった党首も 街頭演説やテレビ討論番組でも謝罪を繰り返したが、党内の倫理委員会にかけられることになった。不満は渦巻き、代表交代の可能性もないとは言えない。 今後、本格的な第2弾が出るのか、妻が庇うのか、SNSやメディアが「炎上」するのか、などの要因で様相は変わってくるだろう。 第3極の党首の女性スキャンダルとしては、橋下徹氏がタレント時代に付き合っていた北新地の女性との関係が暴露されて叩かれたケースがあったが、妻やオカンに叱られて家庭内別居処分になったことなど公表し、事なきを得たことがあった。 国政政党化する直前だったが、初期消火に成功した事例と言えよう。 議員辞職に至ったケースとしては、自民党「魔の○回生」議員だった宮崎謙介氏や「パパ活」の宮沢博行氏の例がある。中川俊直氏は経済産業政務官の役職辞任。 米山隆一氏が新潟県知事を辞任したのは「援助交際」。広瀬めぐみ氏の場合は不倫+秘書給与詐取疑惑で辞任した。 議員辞職に至らなかったケースとしては路チュウ写真を撮られた細野豪志氏、中川郁子氏。そのほか、山尾(菅野)志桜里氏、山田太郎氏も私生活が報じられた。 「セクハラ」が新語・流行語大賞の新語部門金賞となったのが平成元年。その年に、愛人から告発されて「三本指」(月30万円のお手当)が炎上し、選挙でボロ負けして総理を辞めていたのが宇野宗佑氏である。 小沢一郎氏にとってもまた、妻との離婚と「告発」の政治的インパクトは大きかったように思う。 作家でもあった石原慎太郎さんは、亡くなってから出版された「『私』という男の生涯」の中で5人の赤裸々で衝撃的な女性遍歴を、そこまで書くか、という筆致で綴っている。氏の現役中はその一部が漏れ伝わってきたものの、スキャンダルとして炎上するレベルには全く至らなかった。 同様に愛人・隠し子が報じられた木原誠二氏(玉木さんの大蔵省同期)は、別宅があっても今は誰も話題にしない。これは開き直りで消火した事例と言える。