【不倫余波続く玉木雄一郎氏】脇は甘かった、それでも政策を実現せねば永久に訪れない不倫と政策とのデカップリング
■ 「財務省の陰謀」なのか? フランスの大統領は愛人がいても伝統的に問題にならない。ジスカール・デスタン、ミッテラン、シラク、オランド各氏は在任中に愛人の存在が報じられたが、職を追われることはなかった。 「それがどうなの」というのがフランスの文化だそう。 ストロスカーン元仏財務相がIMF専務理事の時、ホテルのメイドに手を出し辞めたのは、それが犯罪だから。 フランスほど寛容でないアメリカでもクリントン大統領が執務室で研修生と「不適切な関係」に陥ったが、任期をまっとうした。トランプ氏も大統領になる前、関係を持ったポルノ女優から訴訟を起こされたが、再選された。 こうしてみると、お咎めの有無の分水嶺はゲス不倫、重婚疑惑、買春、レイプ、女性からの告発など政治家としての行為態様が悪質な場合はアウト、それ以外はセーフ、といったところか。 石原さんのように政治家というより際どい描写で有名になった「太陽の季節」でデビューした作家のイメージが強い人は、公職より好色の許容限度が広いのかもしれない。 玉木さんの場合は国会の「場外乱闘」を見ているようだ。スクープ報道では「香川県の政界関係者」がネタ元になっている。 2年前から2人の密会を2回目撃したとも同筋は語っており、玉木さんと女性の両方を以前からよく知っている関係者だと推察される。 玉木さんの脇が甘かったのは言い逃れようがない。報道後のぶら下がりでは相手の女性と別れるとは名言しなかったことから、「ガチ恋」してるとか喧しい情報が飛び交っている。ちなみにお相手女性の写真集はAmazonでベストセラー1位になったそうな。 ネット上では「財務省陰謀論」なるものが飛び交っている。財務省に「別班」のような非公然組織があるのか? そうした陰謀説が出るのは、日頃から「御進講」と称して政・財・学・マスコミ・シンクタンクなどへの刷り込み工作をやっているからだろう。 安倍晋三元総理は語る。消費税増税延期について「財務官僚は……政権批判を展開し、私を引きずり下そうと画策した。彼らは省益のためなら政権を倒すことも辞さない」(安倍晋三回顧録)。 つまり、財務省はクーデター計画を練っていたのである。2014年9月、財務省御用達の赤坂の割烹「小みや」に消費増税を決めた「3党合意」関係者が集まった。 翌年の2回目の増税を延期する法案が出てきたらそれを潰し、安倍政権が弱ったところで谷垣禎一政権を樹立する、そんな共同謀議が行われた。しかし、谷垣氏は財務省の策略に乗らなかった(船橋洋一「宿命の子」安倍晋三政権クロニクル)。 玉木さんの醜聞に関する財務省陰謀説はこうした背景から出てくるのかもしれない。ただ、財務省自身、工作には強いが防御には結構もろい。 福田淳一事務次官の女性記者に対するセクハラ発言事件がその例。扇情的かつ洗浄的ならびに戦場的であるがゆえに面白い(小田嶋隆)と言われたこの件で、福田次官は辞任した。