「1122 いいふうふ」が描く「公認不倫」「女性専用風俗」の向こうにあるもの 結婚10年目35歳ライターの共感度
Amazonプライムビデオで配信中の「1122 いいふうふ」は、エンタメとして不倫劇のスリルや背徳感を楽しむというより、夫婦関係の本質を問うドラマだ。「公認不倫」や「女性専用風俗」というインパクトのある言葉が目を引くが、現代を生きる30代の2組の夫婦が互いの関係を模索していく姿を繊細に描いている。赤裸々かつコミカルに暴露される夫婦の性事情に大いに興味をそそられる一方で、誰かと共に生きることについて考えさせられる内容だ。 【動画】別れを切り出された美月(西野七瀬)は二也(岡田将生)の股間を剣山で… 「1122 いいふうふ」予告編 原作は累計販売部数146万部を突破した渡辺ペコの同名漫画。監督は「愛がなんだ」(2019年)、「からかい上手の高木さん」(24年)などの今泉力哉。脚本は今泉監督の妻、今泉かおりで、初の夫婦合作だ。主役の相原一子(いちこ)と二也(おとや)の夫婦を、高畑充希と岡田将生が演じている。
不倫相手とはするくせに……
一子と二也は結婚7年目。なんでも話せる夫婦だが、「婚外恋愛制」をとっている。互いの恋愛と性生活には干渉しないという約束で、二也は第3木曜日の夜に不倫相手とすごしているのだ。きっかけは、二也の夜の誘いを一子が「家以外で何とかしてくれないかな」とむげに断ったこと。一子は自分で言い出したことなので引っ込みがつかず、平気なふりをしていた。 夫婦関係が悪化しているわけではなく、二也は一子のことを家族として大切にし、一緒に料理したり出かけたりするなど、仲の良さは変わらない。だが、結婚記念日の夜に一子のセックスの誘いを二也が拒否したことで、一子のモヤモヤはふくらんでいく。「不倫相手とはセックスするのに自分とはしないのか」と。 一子は友人に聞いた女性用風俗コースがあるエステサロンを思い切って訪れる。セラピストの礼(吉野北人)を紹介され、女心をくすぐる優しく甘い対応にひとときの癒やしを得た市子は、肉体関係を持たずとも満足していた。しかし、二也が不倫相手との恋愛を家庭に持ち込んだことに耐えきれず、礼と一線を越えてしまう。そのころ二也が、不倫相手に別れ話を切り出したことで、彼女から剣山で股間を刺されていたとは知らずに……。