青木宣親、超一流の選手になるために必要なこと「21年間プロでやってきた答えはそれです」
◆後輩に伝える“超一流選手になるために大切なこと”
青木が何よりも大切にしてきたのは、まず己の身体と向き合い、思い通りに動かせる状態にすること。メジャーに挑戦する際は専属トレーナーとともに海を渡り、引退まで二人三脚で歩んだ。 そして、体幹周りを鍛えるトレーニングなど、独特のトレーニングを何種類もこなし、思い通りに動かせる身体をつくってきた。 そんな青木が行うオフの自主トレには多くの後輩が参加するようになり、いつしか「チーム青木」と呼ばれるまでに。 その代表格・村上宗隆は、青木から受けた教えについて次のように語る。 「超一流の選手は何事も達人だと。体のことも打撃のことも知っていますし、そういった選手になっていこうという話はしました」 技術だけでなく、体に対する意識の高さは、しっかりと受け継がれていた。 栗山:「自分で打っていて思うようにいかない時があるじゃないですか。そうすると、技術の前に体幹などの使い方がうまくいかない、疲れがある、そういうところも含めて直していくという形ですか?」
青木:「そうです、例えば、移動すれば股関節が固まったり、腰が痛くなるのはよくありますよね。そういうところにもアンテナを張っておけば治しやすくなります。移動が多くて、ちょっとここが張っていると思えば、そこをしっかりほぐして、トレーニングして使えるようにして技術練習する。そうすればその誤差が少なくて済むわけですよ。 ほとんどの人間は打って打って打って、納得いくまで打って、不安な気持ちを取って試合に臨む。そういう人は、調子がいい時はいいんですけど、悪くなったらまた振るんです。振ったらどうなるかというと、次は体がねじれるので怪我をするんです。もうこの流れはずっとそう。『打てない原因がそもそも何なのかを考えないと絶対に先には進めないよ』っていうのはいつも伝えていることなんですけど」 栗山:「本当にそうですね」 青木:「今置かれている状況、自分の思っている考えをしっかり説明できるぐらい、自分と向き合いなさいというのは伝えています」 栗山:「いや~、なんだかもう一回野球やりたいですね。青木さんと(笑)」