【漫画】「うつ病」と診断された女子高校生 文字を読めなくなり…過酷な闘病生活で得た“大切な気付き”<作者インタビュー>
高校時代の闘病エピソードを描いた漫画「16歳でうつ病になって青春どころじゃなかった話」が、Instagramで話題となっています。 【漫画】本編を読む うつ病の過酷な闘病生活で得た“気付き”とは? 心身の不調を感じ、母に「カウンセリングに行きたい」と相談した女子高校生。しかし診察は1カ月待ち。その間にも症状は悪化して…。読者からは「分かりやすかったです」「勇気のいる選択でしたね」などの声が上がっています。
小学6年の頃から気分が落ち込むように
この漫画を描いたのは、InstagramやXで漫画を発表している、きさらぎさんです。講談社のウェブサイト『コクリコ』で、「ゆるっと核家族 6丁目のきさらぎ」を連載しています。 Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからですか。 きさらぎさん「2023年1月からブログに投稿を始めました。ブログとXに家族の漫画を投稿していたのですが、2024年3月より講談社様の本と育児の情報サイト『コクリコ』で漫画の連載をさせていただけることになり、それがInstagramでも同時掲載されるとのことで、Instagramも始めました。Instagramでいろいろな人たちとつながることができ、共感していただいたり、今回のように記事になったりすることで、モチベーションが上がります。感謝です」 Q.このエピソードを漫画にしようと思った理由を教えてください。 きさらぎさん「同じ状況で悩んでいる人の、少しでも助けになれたらと思って描きました」 Q.とても冷静に自分の症状を把握しているように思えたのですが、当時うつ病の症状などについて理解されていたのでしょうか。 きさらぎさん「中学生のときから心理学や精神医学に興味があり、本をたくさん読んでいました。なので、うつ病の症状は知っていました」 Q.お母様にSOSを出すまで、どれくらい1人で悩んでいたのでしょうか。 きさらぎさん「小学校6年生のときから、ときどき気分が落ち込むことがありました。中学2年あたりで、心のハラハラドキドキが始まり、気分の落ち込みも深く、頻度も多くなりました。この時点でうつは始まっていたのだと思いますが、気付くことができませんでした。当時は家庭内がかなりゴタゴタしていて母にも相談できず、学校の先生にも「内申点に関わったら嫌だな」と思い、相談しませんでした。 高校に入り、腕にじんましんが出て、それを見たときに学校のトイレで泣きながら叫んでしまって…。友達になだめてもらいました。『これは相当やばいぞ』と思い、『カウンセリングに行かせてほしい』と母に頼みました」 Q.症状が良くなった今、気を付けていることはありますか。 きさらぎさん「日常生活ができるようにはなりましたが、完治はしておりません…。今も睡眠導入剤がなければどんなに疲れていても眠れませんし、季節の変わり目には必ず心身の調子を崩します。 ただ、『いつか治る!』という考えから、出産後して子どもを育てていく中で、『病気とうまく付き合って、やり過ごしていくしかない』と考え方が変わりました。それからは、少し楽に過ごせていると思います。『うつに良い』と言われるものは一通り試しましたが、合う合わないがあると思います。軽い運動は定期的に続けています」 Q.同じような悩みを抱えている人にアドバイスはありますか。 きさらぎさん「『なんか変だなと思ったら、我慢せずにSOSを出してもいい』ということです。周囲が気付けない場合もあります。自分から発信していきましょう。身近に相談できる人がいない場合は、地域の保健所や保健センターにも相談窓口があります。早めの休息、早めの治療を強くお勧めしたいです。私のように、長期間我慢してはいけません。その後が非常にキツいです」 Q.この作品にどのようなコメントが寄せられましたか。 きさらぎさん「『かわいらしく描かれていたのでスラッと読めた』『自分からヘルプを出せたこと、母がそれを受け取ったこと、良いお医者さんに出会えたこと、周囲の大人が理解してくれたこと、どれも大事ですね』『留年回避のためとはいえ、10代の子がよく耐えたと思います。充電期間を取ることも、勇気のいる決断でしたね』など、温かい言葉を頂きました」
オトナンサー編集部