「ソニーらしさ捨てた?」最新スマホ「Xperia 1 VI」でテコ入れ。国内人気スマホメーカーの行方
ソニーは5月15日、新型スマートフォン「Xperia 1 VI」(エクスペリア ワン マークシックス)と「Xperia 10 VI」(同テン マーク シックス)を発表した。 【全画像をみる】「ソニーらしさ捨てた?」最新スマホ「Xperia 1 VI」でテコ入れ。国内人気スマホメーカーの行方 1 VIと10 VIともに直販サイト等で扱う公開市場版と通信事業者(キャリア)版を用意する。発売日と実売価格(税込)は以下の通り。 Xperia 1 VI(公開市場版、メモリー12GB/ストレージ256GB)……6月21日発売、19万円前後 Xperia 1 VI(公開市場版、12GB/512GB)……6月21日発売、20万5000円前後 Xperia 1 VI(公開市場版、16GB/512GB)……8月23日発売、21万9000円前後 Xperia 1 VI(キャリア版、12GB/256GB)……6月上旬以降発売、価格は各事業者が発表 Xperia 10 VI(公開市場版、8GB/ストレージ128GB)……7月上旬以降発売、7万円前後 Xperia 10 VI(キャリア版、8GB/ストレージ128GB)……7月上旬以降発売、価格は各事業者が発表 価格の傾向からも分かるとおり、1 VIがいわゆるフラグシップ機、10 VIが1に比べて普及価格帯のモデルとなる。 特に1 VIは従来の1シリーズから複数の変更点があり、ソニーとしては久しぶりの上位機種の刷新となる。
ディスプレイとカメラ刷新でテコ入れ
1 Vまでの従来の機種と1 VIの大きな違いは以下の2つだ。 ディスプレイの縦横比が21対9から19.5対9に変更。解像度も4KからFHD+へ。 カメラアプリが1つに。Cinema/Photo/Video ProといったアプリはCameraアプリに統合される。 1つ目のディスプレイについては、サイズ感・解像度ともにスペック的な部分がやや見劣りする形になる。 ソニーは映画館で見る映画作品と同じ画面比率、高品質な4K画質に、他のスマホにはない21対9の縦長なディスプレイを採用してきた(10 VIでは縦横比については引き続き21対9)。 一方でユーザーの多くが目にするのはYouTubeやテレビなどの16対9が主流のコンテンツであり、最近では縦型動画の台頭もあり、21対9のディスプレイが生かせる場面はあまり多くなかった。 そこであえてディスプレイの仕様を変更し、1~120Hzで可変する画面描画速度に対応することによる省電力効果、縦横比変更による動画コンテンツの視聴体験向上を狙う。 2つ目のカメラアプリについても「より広いニーズを狙う」という意味では同じだ。 直近のXperia 1 Vなどは写真用の「Photography Pro」、Vlogのような動画向けの「Videography Pro」、映画のような動画が撮れる「Cinematography Pro」の3種類のカメラアプリが存在した。 いずれもUIや機能面でソニーのカメラやムービー製品の要素が詰め込まれていたが、近年ではPhoto Proで簡単な動画が撮れたり、Video ProとCinema Proが分かりづらかったりなど、いまいち整合性が取れていない印象もあった。 そこで1 VIはこれらの機能をひとまとめにしてカメラアプリとして生まれ変わらせる(過去の1シリーズや10シリーズでカメラアプリは存在しているので厳密には元に戻ったとも言える)。 統合に伴い各Pro系のカメラアプリの機能のほとんどは新しいカメラアプリに引き継がれる。 Photo ProのAF-ONやAE-Lock機能、Cinema Proの21対9での撮影やプロジェクト管理機能など削除されるものや、動画撮影時のマニュアルモードといった後日アップデートで提供するものなど、機能整理はある。 ただ、VLOGCAMから継承した「商品レビューモード」や、スマホ一つでライブ配信ができる機能などは新しいカメラアプリで引き続き提供する。 ディスプレイとカメラアプリ以外は、順当な進化・変更点になる。 特に背面カメラについては、メインの広角レンズにXperia 1 Vで好評だった新型センサー「Exmor T for mobile」を引き続き採用。光学的な焦点距離を動かせるペリスコープカメラ(望遠)は新たに85~170mmの焦点距離に対応。 この望遠レンズを使って「テレマクロ機能」を新たに実装し、物理的に離れてマクロ(近接)を撮ることで、被写体に影が落ちづらくなる。 音響面やゲーム性能、バッテリー持ちなども堅調な進化を遂げている。