「中受アカ」SNSに氾濫する受験情報に踊らされる親が杞憂の理由、「中受沼」の食事会で感じた「中の人」の素顔とは
中学受験をシンプルに考えよう
私が言いたいことはもうおわかりだろう。 中学受験が活況を呈するとともに、たくさんの保護者向けの情報が氾濫しているが、「それらに右往左往する必要は一切ない」ということだ。「わが家はわが家。よその家はしょせんよそ」という冷静さを持っていただきたいと思う。 ここで、先日私が刊行した『ぼくのかんがえた「さいきょう」の中学受験』(祥伝社新書)の一部を引用したい。 〈ここはひとつ、中学受験というものをシンプルに考えてみましょう。中学入試の大半は、わが子の在学している学校の成績(内申点)は合否に関係がありませんし、その数値を基準にした推薦入試制度が設けられているわけでもないのです。入試当日のペーパーテストで合格最低ラインの得点が取れたかどうかで合否が判定されるフェアと形容できる世界なのです。 「受験勉強に打ち込む」→「志望校の合格最低ラインを上回る得点をとる」 わが子が中学受験でなすべきはこれだけです。ですから、保護者が有益な情報をいくら集めたとしても、結局はわが子が入試本番で得点できなければ意味をなさないのです。中学受験の主役はわが子。合格した中学高校に六年間通うのもわが子です。〉 氾濫する情報に呑まれているとつい、このシンプルな図式を忘れてしまうもの。情報は、心をかき乱されるものではなく、自ら利用するものだ。上手に取捨選択しつつ、子どもの塾講師などとも連携を取り合いながら、わが子自身が学力を伸ばせるかどうかを第一に考えて支えてあげてほしい。 (注記のない写真:polkadot / PIXTA)
執筆:中学受験指導スタジオキャンパス代表/国語専科・博耕房代表 矢野耕平・東洋経済education × ICT編集部