モデル鈴木えみさん「娘に読み聞かせた性教育の絵本をInstagramに投稿したら、思った以上の反響が」性教育イベントに力を入れる理由と、目指すゴール
何十年後かには、「性教育」なんて特別扱いの教育でなく、当たり前のことになっていて欲しい
――いのちの授業「Family Heart Talks」では、今後どのように活動されるのでしょうか? 鈴木さん:今までのように、性教育や性の現場でお仕事をされている専門家をたてて、対談、トークショーなどのイベントは続けていこうと思っています。基本的には専門家の医師や助産師さんの登壇が多いから、 先生の数だけ考えがあって、また違う側面を知ることができるので興味深いです。 他には、SNSを使って、性教育に関心を持った方にさらにもっと知ってもらえるような知識、Q&A形式などでの発信を企画しています。イベントは盛況で、この活動を立ち上げてから度々開催してきましたが、参加人数にに限りはあるし、どうしたって 私に興味ある人や性教育に興味ある人が多くなりがちなので、そうではないところまで興味関心を持ってくれる人を広げるにはどうしたらいいんだろう、っていうのが私たちの今後の課題ですね。 あとは、何か教材やグッズを作って展開したいですね。性教育関連アイテムが定期購入で届いたら、教え方がわからない保護者や教育機関の大人も、導入しやすいのかな、と色々計画しています。 小学校などに派遣して、子どもたちに性教育を教える中高生のお兄さん、お姉さんチームなども、作れたら楽しいですね。年齢が近い方が子どもたちに話が届くので、加速度的に『いのちの授業「Family Heart Talks」』を拡大させたいです。 ――今後、活動の広がりやムーヴメント、最終ゴールはどんなことでしょうか? 鈴木さん:「性教育」っていう言葉がなくなればいいですね。それが当たり前になるくらい、 特別枠でなく、本当は義務教育内で詳しくやってくれたらと思ってるんですけど、まだまだちょっと時間がかかる気がします。例えば50年後の子どもが、昔ってわざわざ「性教育」なんて言葉を使ってたの、ダサい!と笑われるくらい、フツーの常識になっていて欲しいです。 いちばん最初にこのチームが発動した時、 被害者って言ってるけど、被害者をなくすには加害者をなくさないといけなくて、加害者をなくすためには、 本当に広~く知識が行き渡るようにしないと意味がないという意見を述べたチームメンバーがいて、まさにその通りだなと思いました。 何か被害があった後のことばかりみんなは考えるけど、病気などと一緒で、 どうやって防ぐかっていうところのほうがむしろ大事なのではないでしょうか。 ――確かに、そうですよね。拝見したイベントの雰囲気が柔らかく入っていけたのも、多分そこなんですよね。加害者・被害者前提では、何か良くないことが起きちゃった後だけれど、その前に悲しいことは起こさない、そのために1人でも多くの人が知っておこう、ということですね。そして、誰もが、加害者・被害者にいつなるかもわからない…。 鈴木さん:そうなんです。知識があれば、加害からも被害からも危険回避できるし。小さなお子さんでも、プライベートゾーンのことを教えておけば、悪気がなくてうっかり被害を与えてしまう側になることもあるけれど、絶対にこれはダメっていうのは教えておくべきでしょう。それは保護者に責任があることだと思います。まず、おうちで、どんなことからでもいいので、性教育の情報を調べたり、お子さんと考える時間を持ってみてはいかがでしょうか。絵本でもイベントでも、何かきっかけを見つけてみてください。