山口の高川学園、前回王者の青森山田を破る 運動量と気迫でジャイアントキリング 全国高校サッカー選手権
【全国高校サッカー選手権2回戦 高川学園(山口)2―1青森山田(31日、NACK5スタジアム大宮)】 【画像】ヘディングシュートを決め、掛け出す高川学園の大森 高川学園が、4度の優勝を誇る前回王者の青森山田を下し、ジャイアントキリングを起こした。江本孝監督は「日本一だった青森山田さんの本当に素晴らしいプレーに感銘を受けた。本当にチャレンジャー精神でよく選手たちが頑張ってくれた。今までにないぐらいの走りをしてくれた」と興奮を抑えきれなかった。 セットプレーで相手を惑わす奇襲攻撃「トルメンタ」が決まった。0―0の後半7分、右CK。4選手がゴール前で手をつないでぐるぐると反時計回りに回る。輪が解け、その中の1人、柿本陽佑がニアサイドに流れてショートCKを受け、上げたクロスはポストを直撃。折り返しを、大森風牙が頭で押し込んで先制した。指揮官は「なんかこの子たちはやるんじゃないかなというふうに思っていたが、まさかここで出すとは思いませんでした」とたたえた。 同33分には大森がPKを冷静に決めて2―0とリードを広げた。その後は前線に人数をかけてくる青森山田の猛攻を受け、同36分にゴールを許し、1点差に迫られた。後半終了間際には退場者を出して数的不利になったが、運動量と球際の気迫で上回り、一丸で守り抜いた。 選手たちは大番狂わせで初戦を突破し、ピッチで抱き合って大喜び。大森は「自分の中で1点でも取れればいいと思っていたけど、チームのおかげで2点取れました。チーム全員で勝利をつかめるように頑張る」と声を弾ませた。 3大会前には準決勝で青森山田に0―6で敗退した先輩たちの無念を晴らす1勝。沖野真之介主将は「自分たちの目標は日本一なので、この1戦は通過点に過ぎない。次の1戦を勝ち抜いて日本一を目指す」。1月2日の3回戦は静岡学園戦。勢いに乗って「高川旋風」を巻き起こす。
中国新聞社