【新日本】ケニー・オメガ397日ぶり復帰戦で勝利「すべてのエネルギー使い再構築」流血戦制す
<新日本プロレス:WRESTLE DYNASTY大会>◇5日◇東京ドーム 約1年間の長期離脱から復帰したばかりのケニー・オメガ(41)が激戦を制し、完全復活を印象づけた。 【写真】流血…鬼の形相のケニー・オメガ ゲイブ・キッド(27)との流血を交えたハイリスクのファイトを制し、31分55秒、片翼の天使からの片エビ固めで3カウントを奪取。キッドの健闘をほめ「新しいスターがここに誕生したな。日本にはゲイブというスターがいる。若くてハングリーで情熱があり、そして熱心ですべてをささげることができるやつ。今の新日本は必要としているのだろう」と評価した。 オメガにとって23年12月5日のAEWコリジョン大会でイーサン・ペイジに勝利して以来、実に約1年1カ月ぶりの復帰戦だった。コリジョン大会直後に発覚した憩室炎に苦しみ、昨年5月には米ニューヨークで名医と出会い、回復手術も受けた。所属先のAEWでも昨年末のワールドエンド大会で登場したばかり。実に397日ぶりの勝利を味わったオメガは「ゲイブはなかなかのモンスターだった。ゲイブへの声援、この試合のブーイングも聞こえた。裏切られた気分だった」と古巣マットで“外敵”として迎えられ、不満をもらした。 人気ゲームソフト「ファイナルファンタジー」をほうふつさせるコスチュームと演出で登場したオメガは激しい打撃の応酬を展開。キッドの平手打ちに対し、容赦ないナックルパートを返した。前蹴り、逆水平チョップが交錯すると、場外戦ではパワーボムでテーブルにたたきつけ、キッドの頭部が切り裂かれた。傷口にも攻撃する容赦ないファイトを展開。今度はキッドの垂直落下式ブレーンバスターでテーブルにたたきつけられた。 さらに割れたテーブルで頭部を殴られ、オメガも額から流血した。リングに積み上げられたイスの山に雪崩式ブレーンバスターを浴び、さらにイス攻撃も浴びたものの、頭突きで応戦。飛龍原爆固め、Vトリガーで相手の後頭部にヒザを打ち抜いた。両者ともに流血しながら30分間を超える激戦。最後はオメガがカミゴェからの必殺技となる片翼の天使を成功し、勝利をもぎ取った。 時折、涙声になったオメガは「自分はプロレスのためにすべてをささげる。そう誓ったここまでやってくた。オレはけがして足がもがれ、すべてが消えるまでやってやる。オレはここからすべてのエネルギーを使い、再構築していく」と強調した。AEWではユニット「ジ・エリート」として活動するオカダ・カズチカと対峙(たいじ)した。両者の将来的な対決の機運が盛り上がっている。40歳を過ぎたオメガが反撃ののろしを上げようとしている。