【40代・50代ご用心!「痔」はお尻の生活習慣病①】日本人の3人に1人が「痔主」?そもそも痔とは?
硬い便が出たときに肛門がちょっぴり切れてしまったり、肛門の周囲がなんとなく腫れてしまったり…。「もしや痔かも?」と不安に感じているのはあなただけではない。そもそも痔とはどんなトラブルなのか。女性のための肛門・おつうじ外来のエキスパート、消化器外科医の高橋知子さんに伺った。
痔とは肛門周囲の病気の総称。「痔核、裂肛、痔瘻」が痔の3大疾患
排便時に痛みを感じたり、トイレットペーパーに血がついたりして、「もしかしたら痔かも」と思ったことはないだろうか? 痔は便秘や下痢、排便時の強いいきみなどの排便習慣が引き金となって起こることが多く、自分では自覚していなくても、実は多くの人が軽度の痔の症状を経験している。「日本人の3人に1人は痔主」といわれるほど、痔は私たちにとって身近な「おしりの生活習慣病」なのだ。 亀田京橋クリニックにて、「女性のためのこう門・おつうじ外来」を担当する高橋知子先生によれば、「痔とは肛門の病気の総称です。なかでも痔核(じかく)、裂肛(れっこう)、痔瘻(じろう)が3大痔疾患と呼ばれています。痔核は世間一般でいわれる“いぼ痔”、裂肛は肛門の内側の粘膜が切れる“切れ痔”のことです。そして、“痔瘻”は肛門の内側に膿(うみ)がたまり、”膿のトンネル”を作ってしまうため、“あな痔”とも呼ばれます」。
◆お尻にこんな症状、ない? 更年期世代の女性に多いのは痔核(いぼ痔)と裂肛(切れ痔)なのだそう。よくある症状について、高橋先生にお聞きした。 「出血が見られたときには、大腸がんや大腸の病気の可能性もあります。裂肛の一時的な症状だろうと自己判断しないで、念のため受診していただければと思います」 ・便秘ぎみで、排便後にお尻が痛くなる。 ⇒便が硬いために肛門の内側の粘膜が傷つき、裂肛になった可能性が大。 ・排便後にお尻を拭くと、トイレットぺーパーに少量の血がつく。 ⇒痔核や裂肛の可能性があるが、出血は大腸がんのサインのひとつでもあるので要注意。 ・肛門のあたりに出っぱっている部分がある。 ⇒肛門周囲の細かい血管の集まりがうっ血して、痔核ができたのかもしれない。一方、「皮垂(ひすい)」と呼ばれる皮膚のたるみができているケースも少なくない。 ・肛門の内側から小さないぼが飛び出してくる。 ⇒肛門の内側にできた痔核が、排便時のいきみとともに肛門の外に押し出されたケース、あるいは肛門ポリープの可能性もある。