【40代・50代ご用心!「痔」はお尻の生活習慣病①】日本人の3人に1人が「痔主」?そもそも痔とは?
3大痔疾患の主な症状、発症の誘因は?
下記のイラストを参考に、痔ができる場所や具体的な症状、誘因など、“痔のいろは”を知っておこう。
●痔核(内痔核・外痔核) 排便時に強くいきむ習慣や、過去の妊娠・出産、腹圧をかける動作が多いなどの理由により、肛門周囲の細かい血管の集まりがうっ血し、肛門内で膨らんだもの。肛門の内側には、「歯状線(しじょうせん)」と呼ばれる、腸粘膜と皮膚の境目があり、この境目の内側にできたものを内痔核、外側にできたものを外痔核という。 「内痔核はほとんどの場合、痛みがありませんが、排便時のいきみなどに伴って痔核を支える組織が緩み、症状が進むにしたがって痔核が肛門の外に押し出されてしまうんです。そのため、排便時に内痔核が傷ついて出血することもあります。一方、肛門の周囲にできる外痔核は悪化すると血豆のようになり、強い痛みを伴います」 ●裂肛 硬い便を出すときや、勢いよく下痢したときに起こりやすく、肛門の内側の粘膜が切れてしまった状態だ。4~5日程度で自然に治癒する「急性裂肛」は、多くの人が経験していることだろう。一方、排便時に肛門が切れてしまうのを繰り返し、2~3カ月にわたって治癒しない状態が続く場合は「慢性裂肛」という。 「主な症状は排便時の痛みと出血です。裂肛を繰り返す慢性裂肛の人の場合、大きくなった内痔核や肛門ポリープが排便時に肛門の外に脱出し、排便後に肛門の内側に戻ることを繰り返し、内痔核や肛門ポリープの根元が引きつれ、裂けてしまうのが原因のことも。また罹患歴が長い人の場合、肛門が狭くなり、便が出にくくなってしまうケースもあります」 ●痔瘻 肛門周囲が化膿して腫れ、膿が出るのが主な症状。強い痛みとともに、時には38度以上の発熱を伴う。肛門の内側で細菌感染を引き起こし、「肛門周囲膿瘍(のうよう)」と呼ばれる膿だまりができるのが発症の原因だ。その膿だまりが膿を排出する出口を求め、肛門の外側の皮膚へと「膿のトンネル」を作ってしまうのが痔瘻だ。 「軟便または下痢の人が発症しやすく、どちらかといえば、男性に高頻度で起こる疾患です」