ペルーで中国人らが台湾のPR広告に妨害行為 習近平氏の訪問に配慮か
(リマ中央社)アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談の開催地となったペルーの首都リマで、台湾をPRする広告の表示や掲示を巡り、中国人らが妨害をしたり、妨害を企てたりするトラブルが複数件起きたことが分かった。中国の習近平国家主席の訪問に配慮した行為と見られる。 広告はAPEC開催に合わせ、駐ペルー代表処(大使館に相当)が設置した。台湾の強みである半導体やAI(人工知能)、デジタル貿易などをアピールしている。 現地メディアの14日の報道によれば、マスクで顔を隠した中国人17人がビルの屋上に設置していた台湾PRの看板を解体しようとした他、別の場所では中国側の関係者だと自称する人物が、デジタルサイネージ(電子看板)の電源を無断で切り、約40分間表示できなくしたという。 消息筋は、看板が習氏の視界に入らないよう、中国側は作業員を臨時で雇ってまで看板を遮ろうとしたが、実際の効果は限定的だったとの見方を示した。 駐ペルー代表処は中国側の行為について、一般的な民主主義社会の価値観から著しく逸脱していることを際立たせたとし、トラブル発生の一報を受けて即座に広告代理店に対して広告を守る支援をしたと説明。現地の警察とも密接に連絡を取り、違法行為の根絶に取り組むとした。 (曽智怡/編集:齊藤啓介)