日本代表はW杯ベスト8よりも「上にいける」 必要な“盛り上がり”…環境整備への提言【インタビュー】
日本サッカーのレベルは「相当上がっている」
サッカー日本代表は“過去最強”と言える戦いを見せている。9月から始まった2026年北中米W杯アジア最終予選では6試合を戦い、5勝1分けでグループ首位を独走している。その一方で例年のような盛り上がりに欠けている現実もある。こうした状況に、元日本代表の太田吉彰氏はメディアも一体となったサッカー界の盛り上げの必要性を訴えた。(取材・文=福谷佑介) 【写真】欧州で日本代表の凄さを実感…面影変わらぬ太田吉彰氏の現在の姿 ◇ ◇ ◇ 日本代表が強い。最終予選は5勝1分けと圧倒的な強さを見せつけて他国を圧倒。メンバーを見てもリバプールの遠藤航やブライトンの三苫薫、レアル・ソシエダの久保建英ら最高峰のリーグでプレーする面々も含め、ほとんどが欧州組に。メンバー構成、試合内容、すべての面で歴代最強と言っても過言ではないだろう。 15年前に単身、欧州へ海外挑戦の旅に出た太田氏も「日本サッカーは相当レベルが上がっていると思います。W杯ベスト8も絶対に不可能じゃない。むしろ、もっともっといけると思います。全体的なレベルはものすごく上がっている」と実感している。その一方で、サッカー界への危機意識も抱いている。 最終予選のアウェー4試合はテレビの地上波中継はなく、敵地で戦う選手たちに声援を送るにはスポーツ・チャンネル「DAZN」の独占配信を見るしかなかった。配信があるのはありがたい限りだが、やはり見る人の絶対数が減るのは事実。サッカー好きならまだしも、それほどではない人たちが見る可能性は低くなる。太田氏は「もっと多くの人の目に触れてほしいというのはありますよね。いまでは民放でサッカーがほとんどやらなくなりましたけど、当たり前にサッカーがある環境がやっぱりいい」という。 サッカー人気がより拡大し、盛り上がっていくためには、やはり多くの人が、より多くサッカーに触れる、目にする機会ができるに越したことはない。太田氏は“サッカーどころ”の静岡県出身。幼少期は自然とサッカーを見る、プレーする環境が身近にあったという。