FXについて その2 FX取引におけるスワップポイント
「その1」ではFX取引の特徴のほか、株式取引との違いについて説明しました。FXは単なる為替取引ではなく、レバレッジ(てこの原理)を効かせることで、通常の為替取引よりもハイリスク・ハイリターンの投資となります。 今回は、FX取引のもう一つの要素である、それぞれの通貨の金利差に基づいた「スワップポイント」について説明します。
スワップポイントとは?
FX取引は異なる国の通貨を交換する為替取引ですが、それぞれの通貨だけでなく、その金利も交換することになります。 通貨の金利は国によって異なるため、その差額を調整する必要があります。その通貨間の金利差調整額を「スワップポイント」といい、FX取引では為替差のほか、スワップポイントでも利益を上げたり、損失を出したりすることがあります。 スワップポイントは、FX取引で保有した通貨を次の営業日に持ち越す際に発生する金利の差に基づいており、通常、異なる通貨を取引する場合、それぞれの金利が適用されます。以下、米ドル(USD)と日本円(JPY)を例に挙げて説明します。 例えば、米ドルの金利が日本円の金利よりも高い場合、米ドルを保有して日本円に交換することで、次の営業日にスワップポイントを受け取ることができます。逆に、米ドルの金利が日本円の金利よりも低い場合は、米ドルを保有しているとスワップポイントを支払うことになります。 スワップポイントの計算には、通貨ペアの金利差が適用されます。通貨ペアの金利差は、基本通貨(取引している通貨。例えば米ドル)の金利から、クォート通貨(交換する通貨。例えば日本円)の金利を引いたものです。 仮に、米ドルの金利を年4%(0.04)、日本円の金利を年0.1%(0.001)として、1万ドルを1ヶ月保有して円に交換する場合、 USドルの金利:4%(0.04) 日本円の金利:0.1%(0.001) 通貨ペアの金利差は「0.04-0.001=0.039(3.9%)」となります。 通貨ペアの金利差は、一般的には年率で示されます。この金利差を月率に変換するために、次のように計算します。 月率差=(1+金利差)^(1/12)-1 月率差=(1+0.039)^(1/12)-1≒0.00321(約0.321%) そしてスワップポイントは、保有した通貨の金額に月率差を乗じることで求められます。 1万ドルを1ヶ月保有する場合: スワップポイント≒1万ドル×0.00321≒32.1ドル したがって、1万ドルを1ヶ月保有して円に替えた場合、32.1ドルのスワップポイントが得られることになります。 なお、実際のスワップポイントの計算には、ブローカーが設定したスワップポイントの定率や変動が関与することがあるので注意が必要です。