実はおせち料理は体に悪い…危険な「塩分」が多くなりがちな和食に加えると減塩できる身近な白い飲み物
■ここを意識するだけで違う減塩ポイント さて、普段の食事でご自身がどのくらいの量の食塩を摂っているのかを把握している人は少ないと思います。いちいち食塩量を計算するのも困難です。だから、目標量を守るというのは現実的な方法ではありません。食事療法は、細かく厳しくて継続できないものより、多少は緩くても継続できることが大切なのです。そこで、減塩の簡単なポイントをお伝えします。 ①新鮮で美味しい食材を活用する 新鮮で美味しい魚や野菜、肉などは、あまりたくさんの調味料を使わなくても満足することができます。また旬のものも美味しいのでおすすめです。 ②うまみ成分やスパイス等をうまく使う 醤油や塩だけで味をつけると、味が濃くなりやすいので、旨味成分やスパイスを上手に活用しましょう。具体的には出汁を濃いめにとったり、ハーブや香味野菜、唐辛子などのスパイス、果物、酢などを加えてみてください。 ③汁物の摂取量を減らす お味噌汁やスープ、うどん、そば、ラーメンなどの汁物は、塩分摂取量が増えてしまいがちです。食べる回数を減らす、汁よりも具の割合を増やす、汁を残すなどしましょう。 ④「乳和食」を作ってみる 和食は健康にいいというイメージがありますが、じつは洋食に比べて使う食材や調味料は塩分の多いものが少なくありません。例えば、煮物などにはたくさんの醤油や味醂などを使うため、塩分も糖分も多くなりがちです。そこで、牛乳を加える「乳和食」がおすすめです。牛乳のコクと旨みが、塩分少なめでも美味しく仕上げてくれます。詳しくは、「Jミルク乳和食サイト」を見てみてください。 ⑤野菜を十分に摂取する 野菜などに含まれる「カリウム」は、ナトリウムの体外への排出を促してくれます。カリウムはさまざまな食品に含まれているものの、加工食品だけでは十分に摂取することが難しいので、生野菜や果物、ナッツ類などを意識的にとりましょう。 ■減塩食品やバランス栄養食、弁当もいい このほかに減塩調味料や減塩加工食品を活用する方法もあります。近年、減塩醤油、減塩味噌、減塩めんつゆなどのさまざまな減塩調味料が出ていて、風味の点で物足りなく感じる人もいるようですが、以前より美味しいものが増えているようです。 また、カロリーメイトなどの栄養バランス食品の多くは塩分が少ないので、手軽に減塩することができます。食事をとる時間がないとき、摂取カロリーを減らしたいときにも便利です。また、最近ではコンビニ弁当等も塩分の少ないものが多くなっていますし、宅配の冷凍弁当には低塩分食があります。表示などを確認して上手に利用してください。 また、意外とおやつで塩分をとりすぎていることもあります。スナック菓子はもちろん、じつはアップルパイなども塩分が多いのです。柿の種などの減塩したもの、プロテインバーなどを食べるようにすると、食塩摂取量を効率よく減らせるので覚えておいてください。 平均余命が延びた現代、年齢が上がるにつれて多くの人の血圧が高くなり、同時にさまざまな病気のリスクも高まります。長く健康でいるためにも塩分摂取量をしっかりコントロールしていきましょう。 〈参考文献〉 24時間蓄尿によるナトリウム摂取量のメタアナリシス Keiko Asakura , Ken Uechi , Yuki Sasaki , Shizuko Masayasu , Satoshi Sasaki. Estimation of Sodium and Potassium Intakes Assessed by Two 24 H Urine Collections in Healthy Japanese Adults: A Nationwide Study. Br J Nutr. 2014 Oct 14;112(7):1195-205. ---------- 成田 崇信(なりた・たかのぶ) 管理栄養士、健康科学修士 管理栄養士、健康科学修士。病院、短期大学などを経て、現在は社会福祉法人に勤務。主にインターネット上で「食と健康」に関する啓蒙活動を行っている。猫派。著書に『新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK』(内外出版社)、共著書に、『薬局栄養指導Q&A』(金芳堂)、『謎解き超科学』(彩図社)、監修書に『子どもと野菜をなかよしにする図鑑 すごいぞ! やさいーズ』(オレンジページ)がある。 ----------
管理栄養士、健康科学修士 成田 崇信