勝負布陣さく裂も… リレー侍ぼう然5位「まだまだ足りない」米国失格の波乱の中、2走サニブラウン区間1位でトップ浮上、3走桐生区間2位で首位維持も暗転
「パリ五輪・陸上男子400mリレー・決勝」(9日、フランス競技場) 日本は1走坂井隆一郎(26)=大阪ガス=、2走サニブラウン・ハキーム(25)=東レ=、3走桐生祥秀(28)=日本生命=、4走上山紘輝(25)=住友電工=の布陣で挑み、今季ベストの37秒78をマークしたが、5位で2大会ぶりのメダルはならなかった。大本命の米国が失格となる波乱があった。 【写真】両手を地面についてがっくりうなだれるサニブラウン ショック隠せない姿 予選からメンバー、走順を変更。1走にスタートのいい坂井、エース区間の2走にサニブラウンを置き、勝負をかけた。拳を合わせて入場し、雨中の決戦へと臨んだ。大本命の米国が1、2走でバトンミスし沈む中、日本は3走の桐生からアンカーの上山にバトンが渡った時点で先頭だったが、トップスプリンターたちが集うアンカー勝負で屈した。選手たちはトラックにしゃがみ込み、呆然と掲示板をみつめた。1走の坂井は区間4位、2走のサニブラウンは区間1位、3走の桐生は区間2位、アンカー上山は区間8位だった。サニブラウンで先頭に立ち、桐生もトップを維持していたが、最後に世界の底力に跳ね返された。 坂井は「本当にたくさんの人が応援してくれた。本気でメダルを狙っていたしいけるタイムだと思っていた。本当に悔しい」、サニブラウンは「もっともっと思い切り出れたかなと思う。加速悪くなかったけど、もっといけたらもっと前で渡せた。ぶっつけ本番で今季ベストもまだまだ足りない。自分もどこでもいけるようにもっとバトンの練習しないと。全体を通してものすごい悔しい結果。金メダル目指して切磋琢磨してきたが、かなわず。来年の東京の世界陸上、28年のLAの五輪で金メダル取りたい」、桐生「メダル狙っていて届かなかった。悔しい。急きょ決勝、ハキームくん2走を任せる形で。ちょっと頼っているところがある。置いて行かれないように、個人で勝負できるようにならないといけない。しっかり足が速くなれるようにしたい」、上山は「緊張とかはなかった。しっかり勝負しないといけないとおもっていた。抜かれたのは悔しい。1番でもってきてもらって、守らないといけないところ。すいませんという話をした。まだまだ力が足りなかった」と、振り返った。 反骨心を武器にした。サニブラウンは100mで自己記録を更新する9秒96をマークしながらも準々決勝敗退。「全然足りない。世界はもっと先に行っている」と、悔しさを吐露した。坂井は100メートル予選落ち。世界の壁を痛感した。桐生は国内選考会で個人代表入りを逃し、リレーメンバーとしての参戦。予選後、桐生は「僕はこれ(リレー)をしにきてる。もっといい走りをしないとここにきた意味がない」と話していた。上山は200メートルの予選、敗者復活戦と不完全燃焼のいレースが続いた。予選を走り、決勝はメンバーから外れた柳田はサブトラックで涙を流していた。パリでの最後の一走にそれぞれが魂を込めた。 16年リオデジャネイロ五輪で銀メダルに輝いたリレー侍。東京五輪では決勝で1走の多田修平と2走の山縣亮太の間でバトンが繋がらず失格となった。東京五輪からは3走の桐生以外はメンバーが新たに若武者たちが、再び表彰台に挑んだが届かなかった。