阪神・中野拓夢、500万円減の1億4500万円更改「3割打者が減ってきているので、3割という数字を」
来季5年目を迎える阪神・中野拓夢内野手(28)が6日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、500万円ダウンの推定年俸1億4500万円でサインした。打撃フォームの試行錯誤に時間を割いた反省を生かし、今オフは下半身中心に強化。自身初の打率3割到達と、30盗塁以上を決めて2度目となる盗塁王のタイトル獲得にも意欲を示した。 今オフのテーマは上半身より下半身。中野は屈強な〝土台作り〟で今シーズンの課題を来季に生かし、来季の巻き返しにつなげる。打率も自身初の3割超えを狙い、持ち前のスピードで盗塁王への返り咲きも目標に掲げた。 「自分自身もいろいろチャレンジした。それが良くない方向にいってしまった。今は投高打低。3割打者が減ってきているので、3割という数字を目指し、(プロ)1年目に30盗塁はクリアしているので、それ以上の数字を残す」 500万円ダウンの年俸1億4500万円でサイン。2年連続の全143試合出場を果たすも、打率は4年目で最も低い・232と苦しんだ。「打球スピードを上げたり、強く振らないといけないと考えて体ごと振ってしまった。打撃にいい影響が出なかった」。打撃フォームはシーズン中に試行錯誤を続けたが、理想の形にはたどり着けなかった。 上半身中心のトレーニングが多かった昨オフの反省をもとに、今オフは改善点を明確にした。下半身中心に鍛え、上から球をたたいてコンタクト率を上げる「元のスイング」に原点回帰。どっしりとした下地を作り上げ、今季セ・パ両リーグで3人しかいなかった3割打者の仲間入りを狙う。 「もう一度盗塁王を取り返せるようにチャレンジしていきたい。タイガース90周年という記念すべき年。リーグ優勝、日本一を奪還して、ファンの皆さんに喜んでもらえるように頑張りたい」 ルーキーイヤーの2021年には30盗塁でタイトルを獲得したが、今季は6盗塁に終わった。選手会長の中野が頑丈な下半身を手に入れて、打力とスピードも磨く。走攻守で藤川阪神をささえる太い柱となるために。(新里公章)