ベルギーGPの隔年開催決定……ここから見えてくる、F1の将来の姿
F1はスパ・フランコルシャンとF1ベルギーGPの開催契約を2031年まで延長することを発表した。しかし延長される6年の契約期間のうち、実際にベルギーGPが開催されるのは4年のみ。2028年と2030年は開催されないことになっており、この枠を使って、F1が目指していた欧州ラウンドのローテーション開催が現実のモノとなった。 【スケジュール】2025年F1開催スケジュール。3月16日オーストラリアで開幕! 現在のF1は年間24戦開催。コンコルド協定では1年間の最大開催数は25戦と定められているが、現実的にはこの24戦が、年間に開催できる上限数と考えられている。しかし新規開催を希望する国や地域が相次いでおり、それらを受け入れるためにはなんとかして現状の開催数を削減し、スケジュールを空けなければならない。 これらの新規開催を求める国や地域は、政府などの支援を受けている場合が多く、資金面でもかなり強力である。これに伴うように、既存のグランプリの開催権利料も高騰。政府などから資金的なバックアップをあまり手厚く受けられていないグランプリが権利を獲得・保持するのは、年々難しくなっている。特にヨーロッパでのグランプリは厳しい状況に置かれ、いつ開催権利を失っても不思議ではないという状況だ。 ザントフールトでのオランダGPは、2026年を最後に契約終了となることが決まった。これにより、スパなど他の欧州のグランプリはいくらか安堵しただろうが、交渉する上ではF1側の立場ははるかに強かった。 スパは最近積極的な投資を行い、老朽化した施設を改修。8000万ユーロ(約130億円)以上を費やして、新しいグランドスタンドの建設や、ファンのための設備のアップグレードなどを行なった。これによりレースのウィークエンドをより魅力的なエンターテインメントとすることを目指し、その姿勢はF1の首脳陣を感心させたという。しかし交渉は簡単ではなく、結局は毎年ではなくとも、F1開催カレンダーに留まることを決断した。 スパにとってはもっと悪い結果になる可能性もあった。サウジアラビアは年2回の開催を希望していて、現在のF1への経済的な貢献を考えれば、それもあながち夢物語とも言えない状況である。そしてサウジでの2戦開催となれば、スパでの開催がなくなってしまう可能性は十分になる。もちろんそれは、熱心なモータースポーツファンにとっては痛手となっただろうが。