アルピーヌF1、チーム内“交戦規定”は効果ナシ? オーストリアでまたも対峙。ガスリー「チームは気に入らないはず」
アルピーヌのピエール・ガスリーは、オーストリアGP決勝で繰り広げられた激しいチームメイト同士の争いに関して、僚友エステバン・オコンのディフェンスを批判した。 【動画】フェルスタッペンとノリス、優勝争った2台がまさかの接触|F1オーストリアGP決勝 バトルが勃発したのはレース中盤。1度目のピットストップを終えたアルピーヌの2台は、直近のライバルであるハースのニコ・ヒュルケンベルグやケビン・マグヌッセン、RBのダニエル・リカルドを追いかけるため、早めのピット戦略でポジションを上げていたアストンマーティンのフェルナンド・アロンソをオーバーテイクしようとしていた。 ただオコンはアロンソをなかなか料理できず。しびれを切らしたガスリーが、オコン諸共2台を抜き去ろうと攻め立てた。 オコンは35周目のターン1でようやくアロンソのオーバーテイクを完了し、ターン2でガスリーもそれに続いた。ただガスリーは勢いそのまま、ターン3でオコンをアウト側から大外刈りしようと試みた。しかし2台は接触寸前……ガスリーはランオフエリアへ飛び出してオコンの後ろでコースへ戻った。 これでアルピーヌ内でのバトルは仕切り直しに。ガスリーが41周目に再び仕掛け、ターン3からターン6まで続くサイドバイサイドのバトルを制し、10位入賞につなげた。 「あれは……激しかったよ。やり過ぎだったと言う人もいるだろうね」とガスリーは語った。 「ピットウォール側は、僕に全く行き場がなくてワイドに走らざるを得なかったということが、本当に気に入らなかったはずだ」 「決して簡単にはいかないよね? だから結局のところ、彼を抜くために他のやり方を見つける必要があった。それで僕は抜いたんだ」 「でもチームメイトとは、もう少しスペースがあると思っていたよ」 オコンとの交戦規定はどうなっているのかと尋ねられたガスリーは次のように答えた。 「レース前にできるだけ明確にしておいたと思うけど、僕がコントロールできるのは自分のマシンだけだ。彼のマシンはコントロールできないよ。仕方ないことだ」 そしてガスリーはこう続けた。 「これは僕らの間で話し合う必要がある。でも、既に話し合ったことだし、他に何ができることがないか考えてみるよ」 ただガスリーとしてはこれで4戦連続入賞。オコンとのチーム内争いを除けば、満足できる結果だったとレースを振り返った。 「あれを除けば、良いレースだったと思う」とガスリーは言う。 「1周目はとても力強かった。スタートはあまり良くなかったから、見直してみる。でもその後は、レース全体を通してタイヤをマネジメントして、ミディアムでフィニッシュすることができた」 「最後はタイヤがかなり消耗しているように感じた。ダニエルに近づいて抜こうとしたけど、残念ながら(リカルドも)マグヌッセンのDRS圏内に入ってしまい、僕は仕掛けることができなかった」 「でもポジティブに考えれば、4戦連続でポイント圏内に入っている。モナコ、カナダ、バルセロナ、そしてここ……全く異なるサーキットだけど、僕らは一貫性を見つけることができたみたいだ。これは重要なことだ」 「僕らはこの勢いを維持しなければならない。今年の後半にはいくつかアップデートが控えている。だから、少しずつ前進することを嬉しく思っているよ」
滑川 寛, Oleg Karpov
【関連記事】
- ■オコンの後任どうする? アルピーヌが重要視するのは“仲良しコンビ”にあらず「プロフェッショナルなドライバーが必要」
- ■”接触エンド”は回避できたかも? レッドブルF1、ノリスへのペナルティ付与の可能性をフェルスタッペンに伝えず「我々にも落ち度がある」
- ■角田裕毅、F1オーストリアGPは14位。リカルドと分けた戦略がうまくいかず……「でも、チームとして理解が深まった」
- ■マクラーレン代表、フェルスタッペン&ノリス接触の原因は“3年前”にあると指摘「マックスを厳しく罰して来なかったから」
- ■フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」