テスラが右ハンドル仕様を廃止……の代わりに「マジックハンド」を配布ってマジ!? ハイテクテスラのローテクアイテムに衝撃!!
テスラが一部モデルで右ハンドルの生産を終了
大昔のことですが、左ハンドルのキャデラックに乗ったおじさんが、照れくさそうにマジックハンドを使っていたのを目撃したことがあります。駐車場の入口で、右の窓から伸ばしたヤツで器用にチケットを抜き取っていたのでした。これオールドファンの皆さまなら似たようなご経験、あるいはご自身でマジックハンド「使ってたよ!」という方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。 【画像】運転席を左右に動かすことができるメルセデス・ベンツ ウニモグの「バリオパイロット」などの画像を見る ところが、最近になってマジックハンドをこともあろうにテスラが復活させたとのこと。時代の先端を走っていたはずの彼らが、どこをどう血迷ったのでしょうか。 ことの発端は2023年5月、いつもの通りなんの前触れもなくテスラが「モデルSとXの右ハンドルを生産中止」と発表したことに始まりました。この当時、まだ当モデルが納車されていないユーザーも数多く、イギリスやオーストラリアといった左側通行の国々では「どうすんだよ!」というニュアンスのツイートが駆け巡ったわけですね。 もっとも、モデル3やモデルYといった現行の売れ線モデルについてはその限りではないというのがミソでして、SとXは発売後10年も過ぎているゆえ、生産ラインの合理化との理由付けもできるかと。 ちなみに、左ハンドルとして設計したクルマを右ハンドルに改造するのは思いのほか厄介なこと。以前はペダルオフセットが不自然だったり、ブレーキブースターが壊れやすかったり、とにかく弊害ばかりでした。それゆえ、大昔のアルファロメオなどは「右ハンドルだけはやめておけ」などと忠告されたものです。 しかしながら、テスラが着目したのはユーザーが直面するマイナートラブルよりも、改造に伴うコストだったに違いありません。売れ行きが悪くなってきたベテランモデルに、これ以上の手間暇はかけられん、イーロン・マスク氏ならそう考えたって不思議でもなんでもありません。 さすがに予約済みユーザーには「車両プログラムの変更により、右ハンドルのモデルSとモデルXは利用できなくなりました。残念ながら、ご注文を履行できず、キャンセルされますが、お支払いいただいた金額は全額返金されます。ご不便をおかけして申し訳ありません」とのメッセージが届いたそうです。