中国は「必要なら何でもする」局面、2012年のECBに類似-ダリオ氏
(ブルームバーグ): ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏は、中国政府の政策担当者が確約したものより「はるかに多くの」刺激策を実施すれば、このような市場刺激策の大波は世界第2位の経済大国にとって歴史的な転換点になると述べた
ダリオ氏の発言は、先週の矢継ぎ早の政策発表後に中国株が2008年以降で最大の急騰を記録したことを受けたものだ。中国の最高指導部も財政支出を支援し、苦境に立たされている不動産セクターを安定させると約束している。
ダリオ氏は9月30日のリンクトインへの投稿で、中国の習近平国家主席の動きと、12年にドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁がユーロ維持に向け「必要なことは何でもする」と確約した時期との類似点を指摘。ドラギ氏の演説は最終的に、当時の欧州債務危機の終結に貢献した。
ダリオ氏は、中国当局が発表したものより「はるかに多くのことが必要になるだろうが」、中国の政策担当者が「必要なことをする」限り、「市場経済の歴史に残る可能性があるほどの大きな一週間だったと思う」と述べた。
中国の岐路
中国の政府高官との会合のために当地を頻繁に訪れているダリオ氏は、中国政府は住宅バブルの崩壊と地方政府債務の増大に直面しており、岐路に立たされていると指摘。中国は、日本がかつて経験したような経済停滞に陥るか、債務削減に成功し危機を回避するかのどちらかになる可能性があると述べた。
ダリオ氏が指摘する「美しいデレバレッジ」の実現には、中国政府は不良債権を再編するとともに、インフレを過度に促進することなく債務返済負担を軽減するためにより多くの資金を創出する必要がある。ダリオ氏によると、このような「リフレ」政策は、現金の魅力が他の資産よりも薄れることでリスクテイクを促すことになるという。
投稿で「このような政策の実施により『ボトム・フィッシング(底値買い)』や『アニマルスピリッツ』が再燃する。今まさにそれが起こっていることをわれわれははっきりと目の当たりにしている」とした。