アップル、新型「Watch」に衛星通信機能を搭載へ-関係者
(ブルームバーグ): 米アップルは、2025年にリリースする新型スマートウオッチに衛星通信機能を搭載する計画だ。血圧機能の開発も強化している。ハイカーや健康志向の消費者を引きつけデバイスのアップグレードを促す考えだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
同機能は最上位モデルである「Apple Watch Ultra」に追加される見通しだという。この技術により、ユーザーはWi-Fi接続が使えない時や携帯電話の電波が届かない圏外でも、グローバルスター社の衛星ネットワークを通じテキストメッセージを送信できるようになる。
内部情報であることを理由に匿名で語った同関係者によると、ユーザーの血圧をモニターする機能も早ければ25年に搭載される可能性がある。血圧計機能の搭載は以前にも計画されていたが、先送りされた経緯がある。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)の下、アップルは健康や安全に関する面で製品を強化する取り組みを進めており、こうした新機能はその一環となる。同社はスマートウオッチと携帯電話を救命装置として一段と売り込みをかけており、最新機能でそれを強化することになる。
アップルの担当者はコメントを控えた。
アップルは22年にスマートフォン「iPhone 14」で初めて衛星通信機能を導入。オフラインの状態でも緊急サービスに連絡できるようになった。昨年には、ロードサービス事業者との連絡にも使えるように機能を拡充した。さらに今年、再び機能をアップグレードし、「iMessage」を使い誰とでもテキストメッセージをやり取りできるようにした。
それでもハイカーやその他のアウトドア愛好家が同技術を利用するには依然としてiPhoneの携帯が必要だったが、Apple Watch Ultraに衛星通信機能が搭載されれば、今後は腕時計だけで済むようになる。
Apple Watch Ultraは、衛星通信機能を備えた初の主流スマートウオッチとなり、ガーミンの「inReach」のような単独の衛星通信機器を消費者が使う理由は減る可能性がある。