ペルソナは“弓道部の女性部長”?書く姿勢が美しく見えるゼブラの新シャープペン「リント」の開発秘話
◆「弓道部の女性キャプテン」をイメージした詳細なペルソナに常に立ち返った製品作り
什器などに使われているモデルも、ペルソナに合わせて選び、撮影には篠原さんも立ち合って、筆記時の姿勢など細かく指定したそう。 「モデルの候補は最終的に2人に絞ったのですが、1人は弓道部というより他の部活の部長さんだね、とペルソナに沿って最終決定をしました。ユーザーが、何を欲しがっているのかと考えるのが大事だということは常に思っていますが、今回のように1人に絞ったのは珍しいです。 ペルソナを絞ったというのもあるのですが、この商品は“あなたのために作りました”というメッセージを伝えるなど、そのあたりはとても意識しています」(篠原さん) 実際、ペルソナに沿った製品作りは一貫していて、今回の軸色やパッケージにも使われている「リントラベンダー」と呼ばれる紫色のイメージや、プラスチック部分を極力少なくして、すっきりとしたペンのシルエットを見せるパッケージのデザイン、極端に装飾が少ない本体デザインなど、全て、架空の弓道部のキャプテンだったら、という点から発想が積み上げられています。 筆記部分の視認性が上がるという機能から、ここまで発想を広げて、それを1人のキャラクターに集約させるという製品作りによって生み出されたシャープペンシルが「リント」でした。それは、こういう人になりたいと思う層にも刺さるはずで、狭いようで意外に広いターゲティングのように思えます。 実際、書きやすいのは間違いないですし、芯径0.3mmだけでなく0.5mmも用意されているので、大人のシャープペンシルとしても、筆記部分が見えにくくなってしまった人にも、使いやすいシャープペンシルになっていると思いました。 <参考> Rint(リント)
▼納富 廉邦プロフィール
文房具やガジェット、革小物など小物系を中心に、さまざまな取材・執筆をこなす。『日経トレンディ』『夕刊フジ』『ITmedia NEWS』などで連載中。グッズの使いこなしや新しい視点でのモノの遊び方、選び方を伝える。All About 男のこだわりグッズガイド。
納富 廉邦(ライター)