障害×アートビジネスの広がりをレポート!「秋の新ドラマ、100均の商品にも採用」
企業で障害者アートを活用する支援も
今年8月、中小企業支援を行っている全就連は、ART WITH MEと連携し、中小企業のデジタルアート事業部立ち上げ支援を行うことを発表した。 中小企業が障害者アーティストを雇用してデジタルアート作品を制作し、ART WITH MEを通して販売することで収益を得る仕組みだ。 同社代表取締役・萩原京二さんによると、「『ART WITH ME』は、知的障害のかたのみならず、すべての障害をもつかたたちに寄り添い、その家族の方々も協力してくれていることに共感しました」。 障害者が自身の才能を発揮し、企業がそれを活用することで、より多くの中小企業が障害者を雇用できる環境を整えることを目指しているという。
アートを通して、障害者が福祉を超えて社会とつながる世の中へ
筆者は新卒で就職したころ、母にも就労してもらおうと思い、作業所を探していた。当時は「母も得意なことや好きなことで社会とつながる機会をもってほしい」と考えていた。 母は事故で障害を負う以前から創作活動は好きだったので、ぜひまた作品づくりを楽しんでほしいと思う一方、楽しむのがもちろん1番だけれど、それだけでは継続が難しいので、なにかしら価値につながることをしてもらえたら、なおありがたいとも思っていた。 結局、母には就労は難しかったが、障害のあるかたのアートが福祉を超えてビジネスにつながり、価値が生まれていく流れはとても喜ばしいと思っている。 障害のある家族と暮らしていて、障害者と健常者が平等な社会だとはまだまだ言いがたい。アートを制作している障害のあるかたの中にも、社会の中で様々な壁を感じるかたもいると思う。しかしアートを楽しむときには、きっとその壁はなくなり、つくるほうも、鑑賞するほうも自由な感性で楽しむことができるのではないだろうか。 これまで、なかなか社会とのつながりをつくることが難しかった障害のあるかたがたとも、アートを通すことでつながることができる可能性が見えてきた。今後もどんな分野に広がりを見せていくのか注目したい。