<高校野球>盛岡大付、九回2死から見せた意地 諦めずに勝利つかむ
◇第91回選抜高校野球 ○盛岡大付3-2石岡一●(25日・甲子園) 同点の延長十一回1死一、二塁から相手の失策が二つ続いてのサヨナラ勝ち。盛岡大付の関口監督は「本当に苦しかった」と苦笑いを浮かべた。石岡一の本格派右腕・岩本に対して試合前は「真っすぐに振り負けないようにしたい」と強調していたが、打ち気をはぐらかすかのように多彩な変化球を織り交ぜる投球に、盛岡大付打線は苦しんだ。 【石岡一vs盛岡大付の熱闘を写真特集で】 一回は先頭の峰が高めのスライダー、2番・佐々木は高めの直球、3番・平賀は低めのチェンジアップと、いずれも違う球種で3者連続空振り三振に倒れるなど、三回まで一人の走者も出せない。岩本の制球が乱れ始めた四回以降は、毎回のように得点圏に走者を進めながらもあと1本が出ず、じりじりと時間が過ぎた。 だが、2点を追う九回に意地を見せた。2死一塁から小野寺が右翼線二塁打を放って二、三塁の好機を作ると、6番・小川が1ボール2ストライクから内角の140キロを強引に右前におっつけ、同点の2点適時打。土壇場で試合を振り出しに戻した。 「終盤はバットに芯で捉えられるようになってきていたので、『とにかく自分たちを信じてつなげ』と指示していた」と関口監督。「九回2死の場面では負けを覚悟した。本当によく追いついた」と、土俵際でも諦めなかった選手たちをねぎらった。【平本泰章】